政府のデジタル化の最大の障壁は「国と社会の高齢化」

マイナンバー関連法案が可決成立した。既に伝えられているとおりマイナンバーカード健康保険証が基本となり必要な人には資格確認証を発行してもらうという制度に変わる。既に様々な問題点が指摘されているのだが、このエントリーでは「国の高齢化」にスポットを当てる。

例として取り上げたのが松阪市の事例だ。松阪市では別人の顔写真の使われたマイナンバーカードが配布された。被害に遭った男性が男性が「余っていたものを適当に貼り付けたと言われた」と言われたと証言し騒ぎになっている。この一連のやり取りを見ているとデジタル化が「高齢化した社会に振り回されている」ことがよくわかる。

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マイナンバーカード問題の源流にある「左派の被害者幻想」と住基ネット訴訟

テレ東BIZの「相次ぐ“マイナ”トラブル 複雑怪奇な政府のデータ管理 真のデジタル化は遠く…【日経プラス9】(2023年5月26日)」というYouTubeを見た。中に「若い人は知らないでしょうが」と言われる住基ネットの話が出てくる。この裁判の元になったのは「政府が共通番号を作ってしまうと国民は政府に支配されてしまう」といういわば幻想だ。つまり事務効率化が左派の被害者幻想によって妨害されているということになる。テレ東BIZは格調高くこのあたりの問題を避けており別の解決策を提示していた。

結果として意図せずに個人情報を他人に見られる人が出てきたことになる。実に皮肉な話といえるだろう。今回は住基ネット訴訟について少し調べてみた。

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「マイナンバーカード関連でいろいろ起きている」の「いろいろ」とは結局のところなんなのか?

G7が終わりテレビは一斉に「マイナンバーカード関連のトラブル」を報道し始めた。どうも「なんかいろいろ」起きているようだ。総理大臣じゃ「重く受け止める」と発言しているが、おそらくこの手の問題はしばらくはなくならないだろう。問題は大きく分けて二つある。システムエラーと運用ミスだ。それぞれ具体的な対策が異なるのだから問題を整理しないまま犯人探しを始めめても状況が混乱するだけだろう。マイナンバーカードの信頼性どころか与野党を含めた国会議員全体の信頼性が疑問視されかねない。システマチックな落ち着いた議論と対応が求められる。

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コンビニ住民票交付システム問題が未解決のまま、アンドロイドスマホにマイナンバーカード機能が追加できるように

5月11日からアンドロイド端末だけでマイナンバーカードと同じ機能が使えるようになる。政府は「住民票がコンビニで受け取れる」などと宣伝しているが肝心の住民票交付サービスは停止したままである。利便性が増す一方で転売時には自分で電子キーデータを抜く必要もある。機能拡大自体は歓迎したいのだが、ITガバナンスが徹底しないうちに闇雲にシステムだけを肥大化させれば、予期せぬ問題が起きた時に誰も問題を解決できなくなる可能性がある。中長期的な視野を持った政治家が出現することが望まれるが、目先の成果にしか興味のない人が多いという印象がある。

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横浜の障害を甘く見た結果、マイナンバーを使ったコンビニ交付システムが全面停止に追い込まれる。

富士通の子会社が提供する「マイナンバーカードで住民票が受けられる」コンビニの証明書交付システムが全面停止に追い込まれた。当初は横浜固有の問題とされていたが、川崎市、東京・足立区であわせて13件発生していたそうだ。もともと河野太郎大臣がきちんと対処していればこのような事態にはならかったはずだが、大臣はSNS経由で報道姿勢にクレームを入れている。デジタル庁は現在ガバメントクラウド構想を推進中だが、今回の対応を見る限りおそらく住民の個人情報が飛び交うガバメントクラウドにも同じような問題が起きるだろうと感じる。「ITガバナンス」の視点がないからだ。

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