支持率低迷のスナク首相が唐突に環境政策を転換 「政治的なギャンブルだ」との声も

イギリスのスナク首相が突然環境保護政策を転換した。表明時期と方法が非常に唐突だったために、国内外に波紋が広がっている。中でも注目されているのが、ガソリン車・ディーゼル車の完全廃止の先延ばしだ。2030年から2035年に延期されるという。

イギリスではブレグジット以降も経済不調が続いており保守党はまさに「崖っぷち」の状態にある。スナク首相は労働党との間に対立軸を作ろうとしたがBBCは「ギャンブルだ」と切り捨てている。

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EUの移民対策が破綻しイタリアのランペドゥーザ島に2日で7000人の移民が殺到

シチリア島の離島イタリアのランペドゥーザ島の人口は6,000人程度だ。この島に2日で7,000人の移民が殺到し大騒ぎになっている。イタリアのメローニ首相がEUにクレームを入れフォンデアライエンEU委員長が慌てて島を訪問した。ウクライナの戦争により食糧価格が高騰すれば2015年のような移民危機が再発しかねないと囁かれていた。つまりこれは「予想された危機」だ。

EUはチュニジアとの間に協定を結んでいるのだが、これが全く実行できていないようだ。EUの移民対策は破綻したと考えて良いだろう。「管理された移民の受け入れ」が幻想であることがわかる。移民政策を転換しようとしている日本もこの事例を参考にすべきなのかもしれない。

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イタリア政府で同盟が主導する銀行課税提案が混乱

イタリア政府はECBの高金利政策がイタリアを苦しめていると考えている。銀行はどうせ儲けているのだろうから課税しろ!ということになったようだ。ところがこの提案は市場に混乱を引き起こし銀行株などが下落している。慌てた政府は事態を収拾しようと躍起になっている。市場の混乱が収まったとしても議会の混乱と法廷闘争などが予想されているそうだ。少し古い話なので「もう知っている」という人も多いだろうが改めてまとめてみた。

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スペインの総選挙は決着がつかず

スペインで総選挙が行われた。当初、極右VOXが政権入りするのではないかと言われていたが、結果的に決着がつかなかった。まず今回勝利した国民党が組閣を行うがVOXを入れても過半数が取れない。その後第二党の左派勢力が組閣を試みそれでもうまくゆかなければ再選挙となりそうだ。

スペインは県を単位にした比例代表制をとっているため小選挙区制度よりも政権交代が起こりにくいようだ。だがフランコ政権の独裁を経験しているため極右に対する警戒心が強いのだそうだ。このため右派が大きく支持を伸ばすということがなかった。

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トルコがスウェーデンのNATO加入承認 トルコが勝ち取ったものと言いたかったこと

トルコがスウェーデンのNATO加盟を承認することになった。ギリギリまで返事を引き延ばし、最後にはEU加盟交渉を再加速させるという約束を取り付けた。今回のディールでトルコが何を得たのかはおいおい考えるとして「国益の追求」がいかにシビアなものなのかを思い知らされた。

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なんとも不思議なオランダのルッテ政権崩壊。争点は優しすぎる移民政策の是非。

またしてもオランダのルッテ連立内閣が崩壊した。11月に総選挙が行われる。崩壊の理由は移民政策だった。現実的な対応を求めるルッテ氏とお花畑的な左派の間で折り合いがつかなかった。

オランダの政治事情は極めて不思議だ。特に争点らしき争点がなく「移民にどの程度優しくしてあげるのか」が唯一の争点になっている。それをめぐって同じような議論が延々と展開され「やっぱり折り合いませんでしたね」として総選挙になる。当人たちにはそれなりの切迫感があるのだろうが、経済的に余裕のある国ならではののんびりとした政治といえるのかもしれない。

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フランスで警察官の少年殺害が暴動に発展 その複雑な事情

パリ郊外の警察官が交通検問を無視した少年(ナエル・M)を殺害した。この時点では「ああまたか」と思った。アメリカではこの手の事件が頻発しているためなんとなく慣れてしまっている。しかしあれよあれよという間に暴動へと発展しフランス全土に広がっていった。外国のメディアは「背景にあるのは深刻な人種差別問題」だと断定する。だがフランス国内のメディアを見るとその原因はかなり複雑なようだ。フランスは問題を扱いかねているように思える。

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ギリシャでNDが政権を維持 経済に弱い左派は「政府批判ばかり」として支持を失う

ギリシャで再選挙が行われND(ニューデモクラシー)が大勝した。直前に移民を大勢乗せた船が転覆していたがギリシャ国民はこの事件にさほど関心を寄せなかったようだ。SYRIZAのチプラス氏は焦りを募らせ政権攻撃に転じたがこれが返って「消極的である」とみなされたようだ。自民党や政権批判ばかりが目立ち「建設的な提案がない」という批判のある日本の立憲民主党にどこか似ている。ギリシャと日本が似ているのかそもそも左派というものがそういうものなのかはわからないのだが、とにかく共通点が多い。

今回はアルジャジーラの記事をもとに構成した。

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スコットランド国民党は独立運動のた目に集めたお金をどうしようとしているのか?

スコットランド行政府のスタージョン元首相が一時拘束された。疑惑はSNPが集めた資金に関するものだったが一時釈放されたことから逮捕のために十分な証拠を集めることができなかったものと思われる。特定の政党が急進力を高めるために政治的にほぼ不可能なアジェンダを設定し、その裏で腐敗してゆくというのはよくある話のように思える。だが報道を見ても「可能性」に関する言及が一切見られない。実はスコットランドではこの手の発言がかなり厳しく規制されているようである。

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ボリス・ジョンソン英国元首相が押される前に自ら崖を飛び降りる

ボリス・ジョンソン元首相が議員辞職した。ロックダウン破りのパーティーの後の「言い訳」が虚偽答弁であったと問題視された。ただこれが直ちに議員資格の停止に結びつくことはないはずだった。このためジョンソン氏は「押される前に飛び降りた」などと言われている。元首相は最後のステートメントでも「私を追い出そうとしており結論ありきの調査だった」と調査委員会を非難している。

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