ドル円相場が一時141円台に 一体何があったのか

ほんの最近まで150円台で推移していたという記憶があるのだが、ちょっと目を離したすきにドル円相場が一時141円をつけたと言うニュースを見つけてびっくりした。「一体何事か」と思った。調べてみると141円をつけたのはほんの一瞬ですぐに144円台に戻ったという。海外勢がヘッドラインをもとに大きく反応しているだけということのようだ。

同じような動きは2022年にも起こっており「写真相場」とも言われている。この時も「来年は円高か」などと言われたのだが、結局は円安進行に戻ってしまった。期待が大きい分だけ何もなかった時の反動もまた大きなものになる。

経済ニュースを読み込んでいる人には「いまさら」の話なのだろうが、今回の荒れた相場のきっかけは日銀の総裁の国会での発言と副総裁の講演だったそうだ。同時に30年もの国債の不振があり市場の反応が必要以上に大きなものになったと説明されている。直前に147円だった相場は一時141円台を付ける展開になったということだが、その後144円から145円台に戻っている。

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賃金上昇を伴った景気の好循環は実現するのか 日銀と岸田総理の見解に相違

日本銀行とFRBの政策決定イベントを滞りなく通過した。日銀は1%に迫った金利状況を容認するものの思い切った金融政策の変更は行わなかった。FOMCは事前の折り込み通り金利を据え置いた。

急速な円安の進行を受けて日本のメディアは神田財務官に「いつ為替介入をするのか」を質問し為替介入と円安抑制に関して日銀・財務省が積極的な動きを期待している。

一方で、岸田総理の国会との説明と日銀のレポートの間に乖離が見られる。岸田総理は所得減税によって賃上げを伴った景気の好循環が作られると説明している。では日銀はどう考えているのか。また消費者・経営者はどのような判断をしているのか。関連記事を調べた。

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深夜の日経新聞辞令で一時1ドル148円台後半の円高傾向 日銀の金利政策の柔軟化報道

1ドルが一時148円台になった。深夜に出された日経新聞の「辞令」がきっかけである。もちろん日経新聞の記者が飛び抜けて優秀である可能性は高いが以前にも植田日銀総裁が重要な発表をする前に同じように日経が報じた事例があったことを考えると日経辞令の可能性がある。経済・金融活動が活発な昼間を避けて重要な情報を夜に流しているわけだ。

日経新聞は次のように「予言」している。

現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力だ。

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ついに一時149円 円安定着で、ついに一部の大手都市銀行も米ドル定期預金利率を5%台に引き上げ

また円安が進んだ。植田総裁と経済界の対話と不安定なアメリカの政局が重なったのが要因だ。これ以上は極端な円安は進まないものと思われるが基礎的な要因が解消されない限り円安基調は定着しそうだ。そんななかある大手都市銀行の外貨預金の金利引き上げが密かに話題になっている。難しい金融商品を探さなくても最低限5%の金利が付与されるという。塩漬けの円預金を原資にしたアベノミクス時代の終わりを告げる象徴的な出来事といえるだろう。

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「円の実力が53年ぶりの低水準」と聞いて、損をする人、得をする人、そしておいてゆかれる人

「円の実力が53年ぶりの低水準」というニュースが話題になっている。このニュースを見て「日本を貶める報道だ」と気まずく感じた人も多いだろう。だがそれでもやはり現実を受け入れ今持っている財産や資産の保全を図るべきだと感じる。

どう状況を整理するのが良いのだろうと考えて色々と書き直したのだが「大きな枠を提示しないで細かい経済ニュースを紹介しすぎていた」と反省した。おそらく情報酔いしている人も多いのではないかと思う。感情的に否定する人や情報酔いしてしまった人はおそらく今回の変化で最も損をする可能性が高い。だが実際の状況はかなり複雑である。

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ぶっ壊れたまま突き進むアメリカ経済と出口を模索する日本経済の行く末についてあれこれと考える

このところ経済専門メディアの報道を見てもよくわからないと感じることが多くなった。これまでの経済の常識が通じなくなっていると感じる。Reutersなどの記事を読んでゆくと。アメリカの経済が一種の狂乱状態に入っているようだ。つまり経済としては「ぶっ壊れている」ことになる。ただ、このぶっ壊れた状態はしばらく続きそうだ。つまり誰もが「狂乱」だとわかっているのにそのまま踊り続けているということになる。「その先」を考えた投資をしている人もいるが、大半は明日の利益を求めて奔走することになる。

このエントリーに結論はない。単に「この先どうなるのだろうか」ということを考えているだけだ。

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アメリカの8月CPIは「どっちつかずでちょっと気持ちが悪い」内容に

アメリカで8月のCPIが発表され分析記事が一通り出揃った。FOMCの追加利上げの有無を占う判断材料として注目されていた。9月の追加利上げはほぼないだろうということになったが「もう利上げはやめて良い」と言い切れるほどのものでもなかった。Bloombergは「後味の悪さを残す」と表現している。平たく言えば「ちょっと気持ちがわるいよね」ということになる。日本の金融政策もどっちに転ぶのかよくわからない状況になっており、先行き不透明感を漂わせつつしばらくは現状維持という状態が続くようだ。

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年率5%のアメリカ短期証券が投資家の間で大人気 この状態が続けば円安が定着するのではないか

このエントリーは「個人的な勉強用」にBloombergなどの記事をまとめたものだ。したがって投資に詳しい人が読んでも「基本的なことしか書いていない」とがっかりするに違いない。アメリカのTBのレートが5%になり世界中の投資家たちの人気を集めているという内容なのだが、そもそもTBって何?ということからわからない。だが記事を読む限り「円安傾向を転換するのはかなり難しいのだろうな」という気がする。エントリー(記事)のタイトルが難しいところだが「定着するのではないか」とした。中には晩秋に予定されている利上げでもう5%ほどドルが上がると言っている人もいる。仮にこの予測を採用すると「更なる円安」ということになる。

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日銀植田総裁の読売新聞インタビューに市場は動揺 ドル円は一時145円台にタッチ

土曜日に掲載された読売新聞の植田日銀総裁のインタビューをきっかけに為替レートが大きく動いた。不動産株が下落し銀行株が値上がりしたそうだ。植田総裁はおそらく時間を与えるためにタイミングを計算したものと思われるが「市場」の反応はいかにもせっかちなものだった。ロイターは「市場は動揺した」と書いている。今後も日銀の動きに一喜一憂する状態が続くのだろう。

このエントリーはまず昨日一日の動きをまとめ最後に読売新聞とロイターの総括をご紹介する。政治的に配慮された記事も出回る上に日銀の中でも次の動きについては異なる意見がある。このため投資家は「どちらに転んでも対処できるように」心の準備だけを進めておくべきだということになる。

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ジリジリと円安が進む中、日銀植田総裁が密かにマイナス金利政策解除のシグナルを送る

現在、円安ドル高が進んでいる。一時は1ドル144円まで落ちる局面があったが、結局その後ジリジリとドルが高騰し現在は147円台後半というところまで来ている。鈴木財務大臣と神田財務官のトーンは一段階上がり「そろそろ介入もあるのでは」という観測も高まる。だがこのドル高はそろそろ打ち止めであると言われている。となると投機的な動きはなくなるので介入は起こらずに円安が定着することになる。

このようなニュースを探してReutersとBloombergばかりを漁っていたのだが、Yahoo!ニュースで意外な記事を見つけた。植田総裁が読売新聞の取材に応じた。結局植田氏は何もしないだろうという人もいるが、金融アナリストの久保田博幸氏はこれを読んで年内にマイナス金利政策が解除される可能性もあるのではないかと言っている。読売新聞も年内の変化に期待している。

これを総合すると「財務省の介入はなくしばらくはドルが高い状態が続く」が「年末にかけて円高に転じる可能性もある」ことになる。週末にかけて相場はお休みになる。この辺りで一度落ち着いて各報道を読みつつそれぞれのシナリオに対する対策を考えておきたいところだ。実にさまざまな角度からさまざまな報道が出ている。

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