日銀・財務省はアクセルとブレーキを同時に踏む状態に

先日日銀が24年ぶりの為替介入をした。その場は収まり日本円が急落することはなかったため「やらないよりはよかった」という状態になっている。イギリスではポンドが急落していることから見てもわかるように他人事ではなかった可能性もある。ところが識者たちの声を聞くとこれは「ブレーキとアクセルを同時に踏む」ようなもので長続きしないだろうという。「籠城」に例える人もいる。結局今これを書いている時点でのレートは144円台後半である。

今私たちはどこにいるのか。わからないなりにロイターの記事を中心にいくつか読んでみた。

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政府・日銀の円買い介入は一旦は成功。今後は「二正面作戦」をどこまで持ち堪えることができるかが焦点に。

日銀が円買い介入をした。既に数時間前の出来事なので為替に詳しい人は大体のことはわかっているだろうと思うのだが「情報をおさらいしたい」という方に若干経緯だけを説明したい。形的には「防衛成功」ということになっているが、ロイターによるとエコノミストの見方は懐疑的なようだ。これも最後に触れてみたい。

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FOMCは市場の予想通りだったが、一部は静かに「日本国債の崩壊」に備え始める

9月のFOMCの結果は市場の予想通りに75ベーシスポイントの利上げだった。直前にCPIショックと呼ばれる株価下落もあり今回のFOMC会合の結果でアメリカの株式市場やドル円相場が大きく動くことはなかった。その一方で10年ものの日本国債の売買が2日成立しないという事態になっている。

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黒田日銀総裁を使った「口先介入」はとりあえず成功

昨日はめずらしく円相場が円高に動いた。要因となったのは黒田日銀総裁の「牽制発言」だった。官邸に呼び出したあとで記者の質問に答えさせる形をとったのが効果的だったようだ。

即座に「一方的な流れ」が戻したことから市場が黒田総裁の一挙手一投足に注目していることがわかる。

ただし岸田政権には時間的余裕はあまりなさそうだ。予備費を使ったインフレ対策は予想通り限定的なものになり補正予算の検討は10月以降になる。足元では統一教会問題と国葬問題がくすぶり続けている。

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政府と日銀は「円安対応にあらゆる措置を排除せず」と表明するが円相場はさほど動かず

国葬の閉会中審査のニュースに隠れてしまっているが、政府・日銀が緊急の会合を開いた。日経新聞によると議題は国際金融資本市場に関する情報交換だった。その後、神田真人財務官は投機的な動きを牽制し「このような動きが継続すれば、あらゆる措置を排除せず必要な対応を取る準備がある」と発言をしたが円相場はさほど動かなかった。市場では「政府・日銀は何もしない」というコンセンサスができているようだ。ロイターは「悪いスパイラルに入った」と政府・日銀の対応に批判的なコラムを出しているが一般紙・地上波にはこの懸念は共有されていないようである。

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24年前の資金運用部ショック − 財務省・日銀が突然政策を変更し投資家が混乱する可能性を日経新聞が指摘

日経新聞が興味深い記事を書いている。それが1998年から1999年ごろに起こった「資金運用部ショック問題」である。記事にはテクニカルな部分が多く経済や金融の専門家以外の人間が読んでも問題の所在はわかりにくい。表題は「日銀支配の終幕は突然に 国債、たまる需給のひずみ」となっており日銀への批判を滲ませるものになっている。

記事を読んでゆくと日経新聞がかなり強い調子で断定的に「日銀が突然梯子を外してしまうこと」を恐れていることがわかる。日銀が突然方針を変更すれば金融市場に大きな動揺が広がるかもしれないと日経新聞は危惧している。

24年前の「(資金)運用部パニック」はアメリカの要請もあり収まるところに収まったようだ。だから日経新聞は心配しすぎなのではないかと思う。だが、記事の最後の識者たちのコメントなどを読むと、かなり具体的に心配している人もいる。

いずれにせよ低金利時代の終わりは突然やってくる可能性があるというのが記事の示唆するところである。政治が答えを出さない今、経済の専門家たちは「まさか」について議論を始めている。その程度には危機感が高まっているのだ。

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