もはや「腐ったみかん箱」扱い 安倍派を一斉処分して岸田総理が生き残りを図る

「もう政局報道はいいよ」と感じる人も多いかもしれないのだが、一応最新の流れを追いかけたい。

裏金疑惑が安倍派全体に広がる中で岸田総理が政権延命をかけて仕掛けてきた。まずは名家出身の麻生副総裁と会談。その後、派閥の領袖クラスの萩生田・茂木・森山氏と会談した。最新のニュースでは内閣から安倍派を一掃するということになったようだ。大臣と党役員だけでなく副大臣・政務官からも一掃する。

政策としてみるとわかりにくい意思決定だが岸田総理の総裁選準備だと考えるとわかりやすい。これまで安倍派は保守・無党派に人気があるという理由で温存されてきた。だが、裏金疑惑で事情が変わり用済みの「腐ったみかん箱」扱いになってしまった。それを一斉に廃棄しようというわけだ。

これに困っているのが立憲民主党だ。不信任決議を出してしまうと安倍派欠席で成立しかねない状況が生まれる。野党に追い風が吹いているわけではないため総選挙には踏み切れないのである。

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松野博一官房長官に更迭報道 昇り詰めた「陣笠雑兵」を斬って世襲が必死の生き残りを図る

松野官房長官が更迭されるらしいと早朝に読売新聞が伝え各社が追随した。どうも更迭自体は間違いがなさそうなのだが後任の話が出てこない。これまで派閥均衡で人事を行っていたため今更脱派閥などと言っても何をどう調整していいかわからないのかもしれない。

松野氏について調べると「世襲の特権階級対陣笠雑兵」という自民党独特の身分制社会が見えてくる。戦国時代を想像するとわかりやすい。自民党を支配するのは「世襲」の人たちだ。先祖の役職で家の格が決まる。だが、彼らは潜在的なリーダー候補であってお互いにライバルである。そのため周囲には君主になる資格のない非世襲的な人たちが配置される。

松野官房長官は実は「自民党初の公募による議員」なのである。戦国武将はこうした「陣笠」たちを食べさせてゆく必要がある。おそらくそこで生み出されたのが派閥の分配構造としてのパーティーなのではないかと思う。

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国民が食事を我慢する中、国会は派閥と金の問題で大揺れ 岸田総理はため息をつくばかりで何もせず

国会では派閥と金の問題を中心に集中審議が行われた。この日の主役は直前に1,000万円キッキバック報道が出た松野官房長官だった。どのような立場で答弁させるべきかで「議運」は紛糾したようだ。

久々の大型疑獄の予感に沸き立つ国会だが国民生活はじわじわと苦しいものになっている。特に切実なのが食費の値上げだ。10月の家計調査では食料支出が実質4.4%減っているという。つまり去年に比べて食べ物を我慢する人が増えているようだ。一方で経常黒字は空前の好調さを見せている。日本全体が貧しくなっているのであればまだ我慢もできるのだが実はお金が流れていないだけという実態がある。

対策を打とうと思えば何かできそうな気はする。だが、国会で構造的議論は行われることはない。パーティーに忙しく政策を勉強するような時間が取れないのだろうと皮肉も言いたくなる。

松野官房長官の更迭要求論まで出てきたが、岸田総理は目の前で打たれ続ける松野官房長官をため息混じりで注視しているばかりだった。

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自民党税調が順調に暴走 法人税増税議論で岸田総理の「賃上げ理論」が破綻の危機

国会終盤になりパーティー疑獄にばかり注目が集まる。岸田政権は経済政策立案の中枢を安倍派に依存しているため調整機能が崩壊している。沈静化は早くても年明けになりそうだ。

そんななかTBSが「自民党税調で法人税増税議論が進んでいる」と小さく伝えている。あまり目立たない報道だ。

岸田政権は法人税減税で企業に余力が生まれるので賃上げがやりやすくなると説明していたが、税調では「法人を優遇しても内部留保を溜め込むばかりなのだから税金として取ってしまえ」という議論になっているそうだ。つまり、岸田政権の提唱してきた賃上げ理論は早くも瓦解しつつある。もちろん経済界は反発している。

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逃げる時だけリーダーシップを発揮 岸田総理が派閥離脱を表明

8日に集中審議が行われるため今日は何も出ないのだろうと思っていたのだが、岸田総理が派閥の離脱を表明した。「自分が中心になって全容解明を主導する」と表明しているが、審議を前に「派閥から逃げた」と言われることは明白だ。逃げる時だけはリーダーシップを発揮するのだなと感じた。

一方で、安倍派の事務総長にも報告だけではなく環流もあったのではないかと報道されている。該当する事務総長には本来政府側の説明を統括する官房長官が含まれる。

野党は派閥の解体を求めているが「本当に派閥がいけないのだろうか」という構造分析はされないままである。ワイドショーなどでは「本来政策立案に注力したいがお金集めが忙し過ぎてとてもそんな余裕はない」などとする元議員たちの声も聞かれる。

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リーダーシップなき岸田総裁のもとで自民党が空中分解寸前に

パーティー券疑惑を巡り自民党が迷走している。中には「派閥はよその家庭のようなものだ」という人も出てきた。自民党はよその家の集合体だから全体がどうなっているのかよくわからないというのだ。岸田総理のようなリーダーシップのない人が組織を統括すると組織がどうなるのかということがよくわかる。

国民が期待できる野党がないことを考え合わせると、自民党の中から新しいリーダーが出てこない限り国政の停滞は避けられないように思える。自民党は空中分解したまま前に進み続けているが、おそらく日本国家も同じような状態になっている。リーダーシップなき首相を頂く組織と国の悲劇と言える。そろそろ真剣に次を考えたほうがいいのではないか。

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「支持率低下してもどうせ政権交代にはならないだろう」と嘘に躊躇(ちゅうちょ)がなくなってきた岸田総理

支持率は急降下しているが政権交代はなさそうだ。このため岸田総理の嘘に躊躇がなくなってきた。統一教会の幹部と面会したという写真が出てきたが「認識していなければ会ったことにはならない」と開き直っている。

トップに規範意識がなくなると当然組織は混乱する。年末に向けて国民負担増の話が出てきているが世論の関心はとてもそこまで及びそうにない。異次元の少子化対策も結局は「差引して微増」という程度に収まりそうだ。経済対策以外にも憲法改正議論や日米安保などの懸案事項は多岐に渡っているがどれも落とし所のない議論になっている。

道徳の教科書は「嘘はいけないことだ」と教えるがその理由までは説明してくれない。だが実際に嘘が罷り通る国会の議論が人々の暮らしにどんな影響を与えるのかを見ればその恐ろしさが良くわかる。

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オスプレイ墜落事故についてアメリカ合衆国が気にしていることをエマニュエル駐日大使の発信から探る

オスプレイの墜落事故についてラーム・エマニュエル駐日大使がステートメントを出している。これを読むとアメリカの外交筋が何を恐れているのかを理解できる上「事実上の占領状態」を作っている原因は実は日本人のマインドセットにあるということがわかる。何か問題が起きた時に処理をするのは外交筋なのでおそらく本音ではもっと軍に強く当たってほしいと考えているのではないかと思う。その意味では日本政府は弱気すぎるのだ。

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今日のパーティー券疑獄まとめ 炎上すればするほどなぜか岸田総理に有利な展開に

岸田総理が党に対して調査を命じた。特捜部のターゲットが安倍派と二階派に集中しており焼ければ焼けるほど岸田派・茂木派が有利になるという考えがあるのかもしれない。政権交代を求める声が上がらなければそのまま「岸田派の焼け太り」という展開も予想される。

岸田派はここで憲法改正議論を主導して保守派を簒奪したいところだが憲法改正議論の主流派はあまり乗り気ではないようである。このため保守派の離反も懸念される。

リクルート事件以来の疑獄事件という評価も出つつあるがそもそもリクルート事件を知らない人にはピンとこない表現なのかもしれない。国会閉幕後の13日以降に捜査が進展するであろうと言われている。

税制調査会では増税議論が始まったが「疑獄」報道に隠れてマスコミの注目は集まらないだろう。そのまま通ってしまう可能性が高い。政調会長が押し返したいところだが萩生田政調会長はそれどころではないだろう。

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効果的利他主義 神輿を作っては壊すアメリカ人とそもそも神輿の担ぎかたを忘れてしまった日本人

日米の政治の違いについて見ている。日本は成長から取り残されておりどんどん縮小する社会に入っているのだがアメリカの政治は成長の矛盾に直面し次のフェイズに直面しつつある。キーワードになっているのが合理的利他と効果的利他主義という考え方だ。

この問題はイズムに慣れていないに日本人にはわかりにくい。そこで、政治や社会を「神輿」と捉えると日本人にもわかりやすいことと気がついた。アメリカは常に神輿を作ったり壊したりしている。効果的利他主義は最新型の神輿だが問題点もわかってきている。一方の日本人は神輿の担ぎ方をわすれそうになっている。

当然神輿は1ミルも動かないのだから社会が成長することもない。

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