なぜか中央日報に「米紙「日本、中国が台湾を侵攻しても自衛隊投入しない」」という記事がでている。日本人は「そんなの当たり前だろう」と思うのだが、実はアメリカはかなり苛立っているようだ。これまで積極的に関与する姿勢を見せていた日本だが具体的な行動計画になると「ダンマリ」を決め込んでしまったように見えるからである。つまり日米同盟にフリーライドする狡猾な日本という風評に繋がりかねない。一方でアメリカの参戦圧力が高まれば日本の巻き込まれ不安は増大し却ってアメリカの望まない結果が生まれるだろう。安倍政権の遺産といえるが、岸田政権はまた厄介な問題を抱え込んでしまった。
“岸田政権は「自衛隊も台湾有事にぜひ参加してほしい」とのアメリカ政府の強すぎるお誘いに態度を決めかねている” の続きを読む「日本は台湾有事の際の避難民の受け入れ先になる」と茂木派の国会議員がロイターに提案
ロイターが木原稔議員にインタビューを取り「台湾有事なら日本はポーランドのような役割=自民党・木原稔氏」という短い要約記事を書いている。「ポーランドの果たす役割」とは台湾有事の際の避難民受け入れなどを指すものと思われる。ポーランドはヨーロッパの避難民のゲートウエイ担っているだけでなく自国でも一次避難民と就労者を受け入れているので、日本も避難民と(問題が長期化した場合には)定住避難民を受け入れるという意思表明になる。外国のプレスへの対応は一人歩きする。国内メディアを通じて国民にも真意を説明すべきだろう。現在ポーランドには120万人を超えるウクライナ避難民がおり一部は就労資格も与えられている。つまり、日本社会に対する影響は決して小さくない。
“「日本は台湾有事の際の避難民の受け入れ先になる」と茂木派の国会議員がロイターに提案” の続きを読むバイデン大統領がCBSの番組で再び台湾防衛への力強いコミットメントを表明する
バイデン大統領が台湾有事への力強いコミットメントを表明した。各紙が伝えている。一方で表明しなかったこともある。次期大統領選挙に出るかどうかをいまだに明確にしていないのだ。台湾有事についてのコミットメントについては多くの媒体が取り上げているが、大統領選挙に出ないかもしれないという点について伝えている媒体はそれほど多くなかった。
“バイデン大統領がCBSの番組で再び台湾防衛への力強いコミットメントを表明する” の続きを読むなぜアメリカ合衆国大統領は台湾に軍隊を派遣できるのか?
先日Quoraを見ていたら「アメリカ合衆国大統領は台湾に軍隊が派遣できるのか」という質問があった。結論からいえば「できる」のだが、その根拠はあまり知られていない。知っている人は知っている話なのだが、改めて書いてみることにした。
“なぜアメリカ合衆国大統領は台湾に軍隊を派遣できるのか?” の続きを読むCNNは今回の台湾周辺への演習をどう見たのか
先日の記事では、今回の台湾沖演習は台湾だけでなく日本にも向けられた挑発行為であるというようなことを書いた。当然「ではどう対応しようか」ということになる。おそらく日本では様々な方面に配慮した報道が出るだろう。ワイドショーを見る限りは中国の脅威を宣伝するだけで終わっているようだ。そこでアメリカがどう見ているかという文章を探してCNNを読んでみた。著者はブラッド・レンドンさんという軍事関係のライターだ。
なぜ中国が撃ったミサイル9発のうち5発は日本のEEZに落下したのだろう?
ナンシーペロシ下院議長の訪台に抗議して中国軍が台湾を取り囲むように演習を行なった。事前の観測では「海上封鎖」ができることを示すためなのであろうという予測があった。台北と高雄を取り囲むように演習区域が設定されていたからだ。蓋を開けてみると北、南、東にミサイルが撃ち込まれたそうだ。ただ、今回少し意外なことがあった。台湾は11発のミサイルを確認したという。このうち日本は9発を確認し5発が日本のEEZに撃ち込まれたと発表したのだ。さらに日本との領土問題は確定していないのだから日本のEEZは認められないという。これは一体どういうわけなのか?
防衛省の発表したミサイルとドローンの軌跡を見れば彼らの意図は明らかだ。中国は台湾と「基地のある日本」を分断しようとしている。そしてその中には沖縄県の先島諸島と尖閣諸島が含まれる。つまり中国は日本を二つに分けようとしているのだ。
“なぜ中国が撃ったミサイル9発のうち5発は日本のEEZに落下したのだろう?” の続きを読むペロシ下院議長の台湾訪問が開けたパンドラの箱
周囲の困惑と反対をよそにペロシ下院議長が台湾を訪問した。到着直後に声明を発表し台湾との関係を再確認して見せたところをみると国家元首のような振る舞いだった。だが、冷静に考えてみるとこれは単なる外交権限がない立法府のトップの非公式な立ち寄りに過ぎない。中国は猛烈に反発しているのだが当初懸念されていたような「米中直接対決」にはならなかった。
ではこれで問題は終わったのだろうか。個人的にはパンドラの箱が開いたように見える。
“ペロシ下院議長の台湾訪問が開けたパンドラの箱” の続きを読む台湾電撃訪問を諦められないペロシ下院議長が起こした波紋
ペロシ・アメリカ下院議長のアジア・太平洋地域歴訪が始まった。台頭する中国を念頭にアメリカが大統領・議会ともにこの地域を重視しているということを示す良い機会になるはずだった。ところがこれが思わぬ波紋を呼んでいる。バ
イデン大統領の発言をきっかけに中国と軍事衝突の可能性が出てきたのである。どちらが悪いと言うわけではない。双方のどことなくギクシャクした関係が影響しているものと思われる。
まずBloombergが「ペロシ米下院議長の訪台計画、いまだ確定せず-29日からアジア歴訪」と言う記事を出している。訪問先のリストには日本、韓国、インドネシア、シンガポールが含まれる。
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