NATOは「ウクライナからの悪いニュース」に備える必要がある 西側支援に滞り

このところの国際ニュースはイスラエルのガザ侵攻一色になりウクライナのニュースのウェイトは低いものになっている。NATOのストルテンベルグ事務総長が「NATOはウクライナからの悪いニュースに備える必要がある」と発言し話題になっている。なんとなく「ウクライナは負けかけている」というニュースにも思える。一体何があったのか。

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「誰も私のようには我々の勝利を信じていない。誰もがだ」焦りを募らせるゼレンスキー大統領と滞るアメリカの支援

世界の関心がイスラエルに向かう中、ゼレンスキー大統領が焦燥感を強めている。関連記事を集めウクライナの現在地を確認しておきたい。秋の泥濘期に入りこれまでの支援と徹底抗戦のあり方を再考する動きが出ている。

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ジョンソン下院議長のきわめて政治的なイスラエル支援提案とウクライナに広がる厭戦気分

ジョンソン下院議長が新しいイスラエル支援策をまとめた。上院で抵抗されることは間違いがない。だがこの動きは極めて政治的だ。上院を通らないことでジョンソン下院議長の政治的なメッセージを浸透させる効果がある。ウクライナの支援を含めて、外交問題は2024年の選挙を有利に運ぶための「ツール」になっている。

世界の関心がイスラエルに向かう中、ウクライナでも動きが出ている。ゼレンスキー大統領は徹底抗戦を主張しているが「政治的解決を求めるべきではないか」という声が出始めているそうだ。日本の報道はアメリカの報道の引用が多く「厭戦気分」がどの程度広がっているのかまでは見えてこない。

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アゼルバイジャンとトルコ 次の狙いはナフチバン回廊

国際政治というのは残酷なものだと思う。ロシアに傾倒していたアルメニアが国際的に孤立しつつある。アゼルバイジャンとトルコの次の狙いはナフチバン回廊だ。梯子を外されたアルメニアは実質的な救済を得られずナゴルノ=カラバフからの難民が急増している。アメリカとロシアはお互いに避難を繰り返すが具体的なアルメニア救済の見込みは立っていない。

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ロシアのラブロフ外務大臣によると「西側とロシアはすで戦争状態」にある

ラブロフ外務大臣が「西側とロシアはすでに事実上の戦争状態にある」と宣言した。極めてわかりやすい「ならず者」の論理という気がする。例えていえば「俺は殴ったけど喧嘩をしているとは言っていない。だがお前らがそのつもりならかかってこい。相手になってやるが、絶対に話し合いには応じない……」と言っていることになる。このエントリーは単に「何か無茶苦茶だなあ」と言いたいだけであり特に内容も考察もない。

おそらく誰かがこれを「戦争である」と認めない限りこの混乱は続くのではないかと思う。

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ナゴルノカラバフでアゼルバイジャンが一定の成果 一時は「新しいコーカサスの戦争」の指摘も

アゼルバイジャンの攻撃をきっかけにナゴルノカラバフにいた分離派が掃討されたようだ。厳密には「アゼルバイジャンの内政問題」だが、一時は「新しいコーカサス戦争の危機」が高まっているなどと囁かれていた。次の課題はアルメニアの内政の混乱かもしれない。パシニャン首相への批判が高まり国内で難しい立場に置かれている。

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クリミア半島でのStarlink利用拒否 戦争の範囲をも支配するイーロンマスク氏

イーロン・マスク氏がクリミア半島におけるStarlinkの提供を拒否していたとして話題になっている。反対派は「一民間企業のCEOが戦争の範囲をコントロールすべきではない」と考えるが、実際の政治言論や戦争はすでに民間企業によって影響を受けているという現実がある。イアン・ブレマー氏は民間企業の技術が国家の力を超えつつあると考えているようだ。

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国民総防衛の現実 ウクライナも世界も厳しい状況に置かれている

ウクライナ情勢に関心がありますか?と問うと日本の世論調査では8割か9割ほどの人が「はい」と答えるそうだ。また年初の日経新聞の調査では「生活に悪影響が生じても支援を続けるべきだ」とする人が7割を超えるという。おおむね「民主主義という正義」を専制主義という悪から守るための戦いであるという了解があるからだろう。

だが、当然ながら現実はかなり厳しい。ウクライナの現状について分析した報道をまとめた。雨垂れ式に色々な報道が流れてくるが改めて整理してみると実に色々なことが起きていると思う。

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依存させておいてサービスを取り上げる イーロン・マスクのビジネス戦略は成功したのか?

サイコパス・ソシオパス・ナルシシズム・マキャベリズムについて考えている。社会的な共感性に欠け自分に役に立つか立たないかという「合理性」だけが行動基準になっているという人である。2011年に「平気でうそをつく人たち:虚偽と邪悪の心理学」と言う50万部を超えるベストセラー本が出ているが10年以上経ってもこうした傾向を持つ人は社会からいなくならない。

この実例としてトランプ前大統領やプーチン大統領などを挙げた。対抗するためには社会協力が必要だが分断が進行するとこの戦略が使えなくなる。これに対抗するためにはどうしたらいいのかというのが考察のテーマだ。

今回はイーロン・マスク氏について取り上げる。ウクライナに無償で通信システムを提供した。ウクライナがこれに依存するようになると年間580億円を要求するようになった。実はこの戦略は成功しイーロン・マスク氏は契約を手に入れたようだ。

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「惜しい男をなくした」 プーチン大統領の社会病質に慣れ始めた世界

プーチン大統領が沈黙を破りプリゴジン氏の事故と死について言及した。「惜しい男をなくした」と評価したそうだ。このニュースを見ていて通常の人間は社会病質に脆弱なのだなと感じた。

なぜ脆弱なのかを説明するがおそらく普通の感覚を持っている人は何回か読まなければ理解できないはずである。メカニズムが理解できないのだから対策はもっと難しいということになる。

分断が進んだ私たちの新しい世界はプーチン大統領のような人をを排除できなくなりつつある。そればかりか我々はプーチン大統領に慣れ始めている。ここから脱却するためには受け手が「論理性」を鍛えることが必要だ。

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