アルゼンチン経済がまたまた破綻の危機

アルゼンチンの経済がまた破綻寸前になっている。普通このような状態になると「国家デフォルトの危機」が囁かれたりするのだがアルゼンチンにはその不安はない。そもそも海外で起債ができないからだ。

だが国民生活は混乱している。インフレ率は100%を超えた。つまり1年で価格が倍になるという状態だ。中央銀行の利率は91%になっている。元本と同じ程度の利子をつけないとお金が借りられないという状態である。2020年の状態で既に国民の半数が貧困層になっている。

アルゼンチンはドルの流出を防ぐため人民元決済を導入すると発表している。中国は「世界がドルに代わって人民元を採用し始めている」と大喜びだが、国際通貨への道のりは遠いようだ。こうした代替経済に引き寄せられる国はどこもそれなりの事情を抱えているからである。

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「ブラジルが中国とのFTAに意欲」で日本は何に取り残されるのか

ブラジルのルラ大統領がこのところ意欲的に経済について発言している。先日は共通通貨構想を発表していたが、今回は中国とのFTAに意欲を見せている。おそらくこの構想がすぐに実現することはないだろうが、確実に世界情勢が変わっていると感じる。グローバル化の時代は終わったのだ。

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ブラジルとアルゼンチンに共通通貨構想

ロイターが短く「ブラジルとアルゼンチン、共通通貨巡り協議へ 経済統合目指す」という記事を伝えている。ゆくゆくはメルコスールを共通市場にして通貨統合も目指すという構想だ。実現すれば南米版EUということになりそうだ。ブラジルが右派から左派の政権に切り替わったことで政治的に合意しやすい環境ができたのだろう。実現可能性と今後の注目点などについて考えた。

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陰謀論に煽られた暴徒がブラジル議会などを襲い大勢の逮捕者が出る

ブラジルで議会襲撃が起きた。以前から危険性は指摘されており「ああやっぱり」という印象を持つ人が多いようだ。アメリカのメディアの論評は二つに分かれているがイギリスBBCが興味深い記事を書いている。アメリカ議会襲撃を煽ったあのバノン氏が関与しているのではないかというのである。陰謀論者に煽られた結果市民たちが大勢巻き込まれて逮捕されたことになる。この件についてのSNSの対応は別れている。手段である表現の自由を守るのか目的である民主主義を守るのかという意見の違いである。

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ベネズエラでグアイド「暫定政権」が崩壊。行き詰まるアメリカの対ベネズエラ政策。

ベネズエラでグアイド氏が率いる暫定政権が崩壊した。背景を調べるとバイデン大統領の政策変更が影響しているようだ。バイデン大統領がベネズエラとの関係を見直した結果、合衆国が支援した「政権」が崩壊したことになる。バイデン大統領はトランプ政権が凍結した政府資産の問題とベネズエラの移民問題という二つの問題を解決する必要がある。

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民主主義の失敗に絶望した人たちが雪崩を打って先進国に流入している

チュニジアで総選挙が行われたが投票率はわずか8.8%だった。NHKは権威主義が復活する可能性があると警鐘を鳴らしている。だがNHKはチュニジアどうすればよかったのかについては書いていない。そもそもチュニジアには民主主義の土壌はなかった。同じような失敗は中南米でも起きている。民主主義が導入できなかった国の人たちが目指すのがヨーロッパやアメリカ合衆国といった民主主義の国だ。結果的に欧米の民主主義も危機にさらされることになる。

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旅行者も帰ってこれないというペルーの混乱

マチュピチュのあるペルーから旅行者が帰ってこれないというニュースがあった。このニュースを見てなぜ突然こんなことになったのかと感じた人は多いだろう。実はかなり継続的な混乱なのだが「地球の裏側」の出来事なので突然降って沸いたように感じられてしまうのだ。背景にあるのはやはり民主主義の問題だ。

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クーデターを企てたペルーの大統領が反逆罪で罪に問われるまで

ペルーでクーデターがあり大統領が逮捕された。僅差でライバルを破って当選した元小学校の先生だった。よく事情を知らない人は「クーデターは反乱軍が起こすものではないか」と思うだろうし、南米の事情を知っている人はまたかと思うかもしれない。だが現職の大統領でも憲法秩序に挑戦すると当然反逆者ということになる。

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ルラ氏の勝利で南米の左傾化がほぼ完成するもボルソナロ氏は敗北を認めず

ブラジルで大統領選挙が行われ、左派のルラ氏が再選される見通しとなった。僅差による当選だったため、多くの人が今後の情勢を心配している。ボルソナロ氏が敗北を認めれば丸く収まるのだが今のところ敗北宣言が出されておらず今後の成り行きが不安視されている。

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