チリで「リベラル過ぎる憲法草案」が否決

日本では保守派が憲法改正議論を主導しているため「憲法改正は右傾化の現れ」とか「憲法が改正されると戦争になる」などと反対する人がいる。これとは全く別の議論をしている国がある。それがチリだ。チリでは新自由主義的な憲法があり「格差を呼ぶ」として国民から反発されていた。このため鳴り物入りで憲法改正議論が行われた。長い時間をかけて議論が行われたのだがその草案はあっさりと否決されてしまった。

議論の中身を見ると左派が張り切りすぎた上に最後の詰めが甘かったようだ。日本の事例でいうと政権に不慣れな民主党政権が憲法改正を目指していたと想像すると何が起きていたのかがわかりやすいのかもしれない。

チリの憲法改正の流れと挫折を簡単にまとめた。

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アルゼンチン副大統領暗殺未遂事件にみる「思想犯」の扱いの難しさ

アルゼンチンの副大統領暗殺未遂事件が起きてから数日が経った。

SNSアカウントなどからこの容疑者がネオナチとの関連が明らかだ。だが、おそらくいくつかの理由がありこの人を思想犯として扱うことにためらいがあるのではないかと思う。事件直後には何の発表もなく、その後も情報は更新されていない、

日本でも安倍元総理の事件がの記憶がまだうっすらと残っていることから決して他人事ではないという気がする。だがその後の処理には大きな違いがあった。アルゼンチンでは急遽国民の祝日が制定されサッカーの試合も全部中止になったそうだ。人々は広場に集まり副大統領への連帯を示した。

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アルゼンチン副大統領が目の前に銃を突きつけられ引き金を引かれる

アルゼンチンで現職の副大統領の暗殺未遂事件が起きた。日本とは違って「支持者からもみくちゃにされた」中での凶行だった。ビデオの映像から引き金が引かれていることがわかるそうだが弾は発射されなかったようだ。銃が詰まっていたのだ。容疑者の特定も進んでおり「ネオナチのタトゥーが入っていたようだ」などと伝えられ始めている。大統領は民主主義に対する挑戦を非難した上で9月2日を「副大統領への連帯を示す休日にする」という宣言を出した。

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南米の政治状況の簡単なまとめ(2022年版)

 メキシコ・アルゼンチン・エクアドル・ボリビアがペルーのカスティジョ政権への支持を表明したという記事があった。これらの国の状況を一つひとつ確認することはあるのだが、まとめて状況を確認したことがない。下手をするとチリとペルーがごっちゃになることもある。そこでこの記事では地域状況を概観してみようと思った。

全体的に反米・左派色が強まっておりアメリカの影響力が落ちているという特徴があるのだが、その他の内容は実に様々だ。

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ブラジルで大統領選挙が始まる

ブラジルで大統領選挙が始まった。このところ中南米では反米左派政権が多く誕生している。ブラジルも右派のボルソナロ大統領に代わって左派のルラ氏が大統領に復帰する公算が高いそうだ。大統領選挙には12名が立候補しているが有力候補者は現職とルラ氏だけである。ただしこのルラ氏には正式には決着していない汚職疑惑がある。

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ペルーで4人目の首相が辞任

ペルーで4人目の首相が辞任したとニュースになっている。大統領は5人目の首相を選ばなければならない。

事情がなかなかに複雑そうだ。まず辞任したトレス氏はカスティジョ大統領に近く「意見の相違」で辞任したわけではない。またトレス氏がどこかの政党を率いており大統領派と対立しているということでもなさそうである。つまり、一見他の国で起きている議会と大統領の対立という構造ではない。

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