「あんなに元気だったのになぜ?」 李克強前首相が心臓発作で突然亡くなる

李克強前首相が突然亡くなった。心臓発作と言われている。政府の姿勢を検証するメディアのない中国では粛々と事実だけが報道されたようだ。突然の訃報だったのだから「何かあったのではないか」と考える人も多い。だが、確たる証拠もないのだから滅多なことは報道できない。そこで日本のメディアはSNSの声を代替的に伝えている。「権力闘争は怖い」という庶民の声を抜き出して代理で疑念を語らせているのである。中国では習近平国家主席を中心にして激しい序列の移動が繰り返されており内政混乱の予兆なのではないかと指摘する人もいる。現在では世界第2位の経済大国だ。仮に中国が混乱すればその影響は決して少なくはないだろう。

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民主主義のない中華人民共和国で急速に広がる日本人への迫害や電話による脅迫 外務省は邦人に注意喚起

福島第一原発の処理水・汚染水をめぐる問題をきっかけにして中国で激しい抗議運動が起きている。抗議運動というよりどちらかというと日頃の不満の捌け口となっていて日本人・日本企業いじめの様相を呈している。何が抗議で何が脅迫なのかは切り分けが必要だが「単に中動くからの電話が増えています」で片付けていい問題ではないように思える。特に気掛かりなのが何の関係もない日本人学校に対する攻撃だ。民主主義もジャーナリズムもない中国ならではの展開といえるだろう。

岸田総理には毅然としたリーダーシップを発揮してもらいたいが「問題は片付けるもの」という独特の淡々とした普段の姿勢が窺える。

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GPD信仰の果てに 中国経済は「バブル中毒」に陥っている

中国について調べている。土地バブルがはじけたことで中国経済が不安定化し台湾有事に発展しかねないというような観測がある。これがどの程度本当なのかが知りたい。だが調べれば調べるほどなんだかよくわからなくなってくる。

調べていて「そもそも中国は資本主義をGDPを膨らませるゲームだと誤認しているのだな」と感じた。GDPを膨らませるためにはバブルを発生させるのが手っ取り早い。つまり中国経済はもう長い間バブル依存の状態にある。これから抜け出せないのだから「中毒」と言っても良い。

それでも中国経済が大混乱に陥らないのはなぜか。日本人は経済が普通の状態を知っているのでおそらく経済が中国化すれば大騒ぎになるだろう。だが、中国人は「そもそも資本主義とはバブルなのだ」と思っているのかもしれない。バブルは都度都度はじけておりそのたびに人々は泣き叫んでいる。だが、しばらくすると次のバブルがやってくる。加えて、バブルとは無縁の人たちも多い。このため経済破綻が体制の不安定化につながらないのである。要するにバブル依存になれているのだ。

中国のGDPは日本を抜いてアメリカをも抜くのではないかと言われている。だが、それが必ずしも国の豊かさや大きさを意味するわけでもないようだ。むしろ多くのゾンビ企業を生み出しつつバブル中毒に陥っている。そしてその経済は外国からの資本流入が止まれば維持できなくなる。

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恒大集団の事実上の破綻 中国の擬似資本主義には「肝心なアレ」がなかった

中国の恒大集団が事実上破綻した。なぜか申請が行われたのは中国ではなくアメリカだったが恒大集団は「破綻ではなく単に債務の再編成がしたいだけだ」と主張している。チャプター15によって破綻すると債務再編を前提に資産が保全されるためだ。

このニュースを見て「そもそもなぜ中国で破綻させなかったのか?」と思った。おそらく破綻という手続きがないのだろう。中国の資本主義は所詮「擬似」だったことがわかる。資本主義に欠かせない企業の死という概念がないのだ。いつまでも生きている企業はないのだから今後「ゾンビ企業」が増えることも予想される。

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「経済苦境に陥った中国は何か悪いことをしでかすだろう」バイデン大統領が認識を示す

バイデン米大統領、中国を「時限爆弾」と表現 経済問題巡り」という記事をロイターが出している。中国経済は構造的な問題を抱えているため必ず経済が大きなダメージを受けるという認識を「時限爆弾」と表現しその結果として「悪いことをするだろう」と言っている。悪いことの中身は不明だ。日本の麻生太郎副総裁も台湾で「中国と対峙するためには戦う覚悟が必要だ」との認識を示している。これらの発言を見ると、米中と日中関係は緊張に向かうのではないか?と思える。発言について細かく見てゆこう。

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中国経済が複合不況の様相 このまま「日本化」の可能性も

ロイターが「コラム:軽視できない中国の複合不況、日銀「次の一手」にも影響」というコラムを出している。田巻一彦さんのコラムだ。中国が複合不況に陥っているという。輸出の不振と資産デフレが要因だ。資産デフレとはつまり「バブルがはじけた」ということである。1990年代の日本と同じ状況に陥りつつあるということになる。このまま予想外の経済不況が続けば企業や家庭が現金を溜め込む「流動性の罠」に陥る可能性がある。

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中国の外交に変化 王毅氏の外務大臣復帰が意味するもの

ある日突然秦剛外務大臣が姿を消した。習近平国家主席に引き上げられた人物だった。結局秦剛氏が外務大臣に復帰することはなく共産党の政治局員に出世していた王毅氏が外務大臣を兼務することになった。

これが何を意味するのかについてはさまざまな憶測が飛び交っている。アメリカに対する中国の姿勢が切り替わったということはいえそうだが、その影響がどのようなところに出るのかはまだわからない。王毅氏は忙しく世界中を飛び回り新興国の支持集めに奔走している。日本がこれにどう対峙すべきか、岸田政権はビジョンを示す必要がある。

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アメリカ合衆国は中国に再接近を試みている

現在、米中デカップリング状態にあると言われている。中国の潜在的脅威にさらされる日本にとっては好ましい動きと言えるだろう。だが安心ばかりはしていられない。このところアメリカの高官の北京入りの動きが目立つ。アメリカの民主党政権は元々「どちらかといえば中国より」とされているのだからむしろ当然の動きである。アメリカは自国の国益を第一優先に動く国なので、意外と「日本が梯子を外される」というようなことも起こり得るのかもしれない。2024年には政権交代の可能性もあるのだが民主党が中から変質する恐れもある。

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G7首脳宣言であらためて注目される「チャイナ・デリスキング」とは何か

G7首脳宣言が早めに発表された。その中であるワードが注目されている。それが中国を念頭に置いたデリスキング(リスク軽減・リスク低減化)である。まずは中国を念頭に置いた経済威圧・経済的威圧という言葉を概観しデリスキングという概念が出てきた背景について関連記事を読んでゆく。最後にG7の現在地について軽く触れてみたい。今後経済ニュースなどを読みたい人は「デリスキング」について概要だけでも押さえておくと良いだろう。

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BMWはアイスをくれない!で大炎上 「中国人の高すぎるプライド」という新しいチャイナリスク

習近平国家主席が中国国内で権力を奪取する上で非常に重要な役割を果たしたものがある。それが「中国人ナショナリズム」だった。習近平国家主席は地方に住むあまり政治意識の高くない人々にナショナリズムを浸透させることで国内での支持基盤を固めていった。ところが皮肉なことにこれが欧米の企業にとって新しいチャイナリスクになりつつある。BMWが上海モーターショーでSNS炎上事件を起こした。きっかけは些細なことだった。アイスクリームがもらえない人が怒り出したのだ。

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