ユタ州のある学区が「聖書は下品で暴力的」として小学校と中学校から撤去

アメリカで面白い動きが起きている。キリスト教の聖典である聖書がある学区から撤去された。撤去の理由は聖書は下品で暴力的だからである。小中学校の児童と生徒が読むにはふさわしくないという。行きすぎた二大政党制がもたらした「相互否定」の文化がついに聖書の否定にまでつながったことになる。

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共和党が学級崩壊状態に陥るも、債務上限問題は無事下院採決へと向かう

アメリカでは債務上限問題が話し合われている。共和党が議案を通さない限り「共和党が大惨事をもたらした」といわれかねない。つまりどっちみち下院共和党は議案を通す必要があった。ところが一時議会共和党は学級崩壊状態に陥った。下院共和党を教室に例えると一部の生徒が「机をバンバン叩いて存在感を示している」というような状態だ。このため「先生」にあたるマッカーシー議長はFOXニュースで国民に支持を訴えた。

結局離反の動きは広がらず議会採決に持ち込まれた。今後数時間のうちに採決される予定だ。

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アメリカ債務上限問題の最初の関門は火曜日の規則委員会

バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で交渉がまとまり債務上限問題が一歩前進した。このニュースによって日経平均は600円ほど値上がりしたそうである。ただこれで問題がすべて解決したと考えるのはまだ早い。マッカーシー氏が議長のポストと引き換えに行った「あるディール」の本当の意味を知ることになりそうだ。債務上限問題はおそらく落ち着くところに落ちくつのだろうが今回の動きを観察するとアメリカの議会の仕組みがよくわかる。

なお今回の話はかなりテクニカルなものなので特に議会政治には興味がなく結果だけ知りたいと言う人は読まなくても良いだろうと思う。おそらくゴタゴタが続いても落ち着くところには落ち着くだろうからである。

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フィッチがアメリカの格付けを引き下げ検討対象(レーティング・ウオッチ・ネガティブ)に 債務上限問題の期限内合意は絶望的に

NHKなど国内メディアが一斉にフィッチ・レーティングスがアメリカ国債の格付けを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと伝えている。ロイターなどはあまりこのニュースを大きく取り上げておらず、Bloombergは「今後どのような条件でデフォルト認定される可能性があるのか」ということを詳しく書いている。問題の本丸は債務上限問題であり格付けはそのサブストーリーに過ぎない。NRIの木内登英氏は今後のアメリカ債務上限問題について「もはや無傷での解決は難しい」と指摘している。フィッチの「ネガティブ」は正確には現在はAAAだが将来マイナスの方向に変更する可能性がありますよという意味になる。つまり格付けは維持されている。逆にプラス方向に変更する場合は「レーティング・ウォッチ・ポジティブ」というそうだ。

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結局のところアメリカの債務上限問題は何を話し合っているのか?

バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で債務上限問題に関して激しい議論が行われている。だが冷静に考えてみると「一体何を話し合っているのか」がそもそもよくわからない。あらためて調べてみた。

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バイデン大統領はなぜ広島で「絶対に謝らない」のか

毎日新聞が「バイデン氏の広島訪問 原爆巡る「発言機会はなし」と米高官」という記事を出している。バイデン大統領が広島で原爆に関して言及することは絶対にないということをあらかじめはっきりさせたというのだ。日本のメディアは広島にアメリカの大統領を呼ぶことの難しさを意識しつつ「原爆資料館を見て何かを感じてほしい」と期待を表明しているが、アメリカでは全く異なる調子で報道されている。謝罪は「弱さにつながる」と考えられているのである。

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アメリカ合衆国政府の財政破綻まであと880億ドル

アメリカ連邦政府がデフォルトするかもしれないというニュースは2023年1月以降継続して囁かれてきた。Bloombergが「米債務上限の特別措置、残り880億ドルに-1週間前は1100億ドル」と書いている。11兆円(880億ドル)と書かれると「なんだ11兆円もあるのか」という気になるのだが、差分を書かれると緊迫感を感じる。デフォルトの影響というよりアメリカの国際的な評判に与える影響が大きいのかもしれない。

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CNNが明らかにした根強いトランプ大統領待望論とその背景

トランプ前大統領が「アメリカは一度デフォルトしたほうがいいかもしれない」として物議を醸したタウンホールミーティングだが、実は視聴率が非常に良かったそうだ。メディアバイアスでは「やや左寄り」とされているAXIOSがこの状況について分析している。背景にあるのは若年有権者の政治疲れである。不毛な論争に耽溺する政治言論にうんざりしている人たちが増えているようなのだ。ただジャーナリズムとプロの政治家たちはこのトレンドをしばらく過小評価するのではないかと感じる。

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「アメリカは一度デフォルトすべき、かも」CNNの討論会でトランプ氏は何を語ったのか?

CNNが主催するタウンホールミーティングが行われトランプ前大統領が堂々と持論を展開した。「アメリカはデフォルトすべきだと主張した」と伝えられている。そのほかにはどのような持論を展開したのかを短く見てみたい。

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【基礎だけをざっくりおさらい】なぜバイデン大統領はG7広島サミットに来られないかもしれないのか?

バイデン大統領がG7広島サミットに来ることができないかもしれない。なぜそんな可能性が出てきたのかについてざっくりと解説したい。おそらく、普段ニュースを見ている人には新しい情報はないものと思われる。最も短く説明すると「国内で深刻な問題がありそれが解決できるまで身動きが取れない」。深刻な問題とは財源不足である。財務省の指定するデッドラインは6月1日でこの日以降いつ「Xデー」がきてもおかしくないとされている。つまり一ヶ月を切っており金融・経済の人たちが慌て始めている。

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