アメリカで広がる静かな退職(Quiet Quitting)と静かな雇い止め(Quiet Layoff)の微妙な関係

アメリカを中心に新型コロナの流行をきっかけにワークライフバランスを見直す動きが出ている。これまで生活を支えるためにより良い生活を目指すために働いてきたアメリカ人たちが「もうこれ以上頑張らなくてもいいのではないか」と思い始めているようだ。

職場環境が急激に変化したことで「企業の無制限の貢献をしよう」と考える人が減っており企業も対応を迫られているとビジネスインサイダーは説く。これを静かな退職(Quiet Quitting)と読んでいる。オーストラリアのElleは若者向けに静かな退職が新しい生き方なのだと説明する。

一方でトップ企業は優秀な従業員だけを選別するために静かな雇い止め(Quiet Layoff)という手法を編み出したと指摘する人たちもいる。「イタチごっこ」のような状態になっていることがわかる。

確かにQuiet Quitting、Quiet Layoffという言葉は単なる「バズワード」でもあるがアメリカの空気をよく表している。背景にあるのはやはりコロナ禍による環境の変化のようだ。

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財政破綻から回復途上のプエルトリコがハリケーン被害に会い全島が停電に

プエルトリコは320万人弱の人が暮らす面積9104平方キロメートル程度の島国である。西隣には海を挟んでハイチとドミニカ共和国がありその向こうにはキューバがあるという並びだ。島の大きさは鹿児島県とほぼ同じ程度だという。島国といっても独立はしておらずアメリカ合衆国の自治領という扱いになっている。住民はアメリカ国籍を持っているが連邦に対する納税義務がなく従って大統領選挙の投票権がない。また連邦下院に議会を送ることはできるが議決には加わらない。そんなプエルトリコをハリケーン・フィオナが襲った。壊滅的な洪水が発生し全島が停電し150万戸が影響を受けているという。

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バイデン大統領がCBSの番組で再び台湾防衛への力強いコミットメントを表明する

バイデン大統領が台湾有事への力強いコミットメントを表明した。各紙が伝えている。一方で表明しなかったこともある。次期大統領選挙に出るかどうかをいまだに明確にしていないのだ。台湾有事についてのコミットメントについては多くの媒体が取り上げているが、大統領選挙に出ないかもしれないという点について伝えている媒体はそれほど多くなかった。

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ペロシ下院議長のアルメニア問題介入が作る新しい米露対立の発火点

ロシアの南にアルメニアとアゼルバイジャンという2つの国がある。アルメニアにはキリスト教徒のアルメニア人が住んでおりアゼルバイジャンの主要民族はチュルク系のアゼルバイジャン人だ。この二つの国はナゴルノ=カラバフ地方をめぐり1991年以来小競り合いを続けている。一般的にはロシアとトルコの対立のように思われているのだが、ロシアの弱体化を背景にアメリカ合衆国とフランスが介入しつつある。ペロシ下院議長はアルメニアに乗り込みアゼルバイジャンを非難しパニシャン首相の「革命」への支援を表明した。「善意による介入」だが新たな米露対立の火種になりNATO加盟国であるトルコがアメリカと対立する構図にもなりかねない。

今は単なる点にしか過ぎないのだが、成り行き次第ではこれまで点に過ぎなかったものが面としての広がりを持ち始めるかもしれない。アルメニアは今後要注目の地域だ。

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Twitterに中国人の工作員が紛れ込んでいた可能性

ペーター・ザトコ氏の内部告発が大きなニュースになっている。中国の工作員がいた可能性があるというのだ。状況はかなり複雑なのだが影響力はあるが財務状況が必ずしも民間のプラットフォームという存在が民主主義の脅威になり得るということだけはよくわかる。

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トランプ氏がマール・ア・ラーゴに持っていた「外国の核防衛情報」の憶測が広がる

トランプ氏が保有していたとされる核武装情報を手に入れるためなら諸外国はなんでもするだろうと元FBIの職員がMSNBCで発言した。このニュースは一部のメディアが閲覧数を稼ぐために盛んに報道しており別のサイドのメディアはそれよりももっと重要な問題があると目を背けている。

日本のメディアと日本語で情報を取っている人たちは蚊帳の外に置かれている状態だ。例えば「アメリカがどこまで中国の核武装の情報を把握しているか」という問題は日本の安全保障にも影響が大きい。だが不確定な情報が多いため日本のメディアに取り上げられることはほぼないだろう。

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トランプ氏の邸宅から外国の核戦略に関する文章が見つかったようだとワシントンポストが伝える

トランプ前大統領(以下トランプ氏)の自宅に大量の機密文書が見つかった事件に新展開があった。当初ワシントンポストが指摘していた通り核関連の文書が見つかったようだ。トランプ氏が国家機密をずさんに扱っていたことがわかると同時に「それでも気に留めない人がいる」という点にも驚きを感じる。

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バイデン大統領の学生ローン返済免除計画が波紋を呼ぶ

バイデン大統領が「1人130万円超の学資ローンを返済免除する」と発表した。日経新聞が手堅くまとめている。

  • 連邦政府の学生ローンの借り手に対し1人当たり1万ドル(約136万円)の返済を免除する
  • 高所得世帯は対象外(年収12万5000ドル以下が対象で夫婦の場合は合計25万ドル以下)
  • 学生ローンの債務者は約4300万人。うち2000万人は債務が全額免除になる。

これとは別に2022年8月末としていた返済猶予措置の期限を12月末まで延長し23年1月から返済プロセスを再開する。

中間選挙前に支持基盤固めが必要なバイデン大統領にとっては大きな成果となるがそれなりに波紋を呼んでいる。様々な議論が飛び交っているのだが「そもそもそんなことをやっていいのか」「大統領にそんな権限はあるのか」「インフレに悪影響を与えるのではないか」という懸念があるようだ。

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トランプさんをいじめるな。リズ・チェイニーさんが共和党予備選挙で敗北

日本ではトランプ前大統領にスパイ容疑がかけられていたというようなことが話題になっている。中には有罪判決が出れば大統領選挙に出られなくなるのではないかという解説をするテレビ局などもある。さぞかし共和党には逆風なのではないかとも思えるのだが、逆の動きが起きている。トランプ氏を擁護する動きが広がっているようだ。しかも突発的な動きではない。ある方向に向かって着実に進んでいる。その中心にいるのはいつもトランプ氏だ。トランプ氏が赴くところすべてが政治的劇場に変貌する。参加者たちは「アクター」としてその中で生き生きと勝利を叫ぶのである。

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トランプ氏についに「スパイ容疑」がかけられる

少なくともABCやCNNの報道を見る限りかなり加熱しているトランプ前大統領のドキュメント持ち去り疑惑だが日本ではあまり注目されていないようだ。昨日の投稿ではむしろ「岸田総理の支持率があまり伸びなかった」記事の方が多く読まれた。

最終的にトランプ氏にかけられた容疑はスパイ容疑なのだがもともとトランプ氏は大統領としてこれらの文章を読む権限を持っていた。つまりスパイとしてドキュメントを盗みだす必要はない。さらに大統領選挙に出馬しようとしているため情報を持ち出して外国に流す動機にも乏しい。にも関わらずこれが容疑とされたのは「大統領が憲法規範を破って文書を盗み出す」という事態がアメリカ憲法に想定されていなからだろう。

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