オスプレイ墜落事故についてアメリカ合衆国が気にしていることをエマニュエル駐日大使の発信から探る

オスプレイの墜落事故についてラーム・エマニュエル駐日大使がステートメントを出している。これを読むとアメリカの外交筋が何を恐れているのかを理解できる上「事実上の占領状態」を作っている原因は実は日本人のマインドセットにあるということがわかる。何か問題が起きた時に処理をするのは外交筋なのでおそらく本音ではもっと軍に強く当たってほしいと考えているのではないかと思う。その意味では日本政府は弱気すぎるのだ。

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南米に新たな領土紛争の萌芽 ベネズエラがガイアナの一部を巡り住民投票を計画

ある国の支配者が別の国を併合したい時に「民主的に選ばれた」と主張することがある。この時に便利に使われるのが国民投票だ。ベネズエラがガイアナの7割を占めるエキセボ地区を狙っている。沖合に次々に油田が発見されているという地域だという。地域住民は無視されており貧しい状態に置かれているようだ。いずれにせよ軍事衝突を伴う領土紛争になる可能性があり周辺国は警戒を強めている。

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車が空を飛び爆発 米加国境のレインボーブリッジの事故でメディアは一時騒然

アメリカ合衆国は感謝祭の移動シーズンに入った。感謝祭は11月第4木曜日なので今年は23日が感謝祭当日に当たる。コロナ明けの本格旅行シーズンということもあり数百万人が移動したものと見られている。そんな中、突然SNSで「空飛ぶ車が爆発」するという俄かには信じ難い動画が飛び交った。ニューヨーク州知事はまず「AI動画であろう」と考えたそうだが、その後本物であることがわかり一時は大きな騒動に発展した。

バイデン大統領とトルドー首相が懸念を表明したことから大騒ぎになったがニューヨーク州知事が「テロの可能性は低い」と発表し事態を鎮静化させた。一部報道によるとテロリストの仕業ではなくKISSのコンサートを楽しみにしていた夫婦が起こした事故だったのではないかという見方が広がっているようだ。

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ChatGPTのOpenAI社で「意識高い系」の取締役会が敗北 アルトマン氏がCEOに復帰へ

OpenAIでアルトマンCEOと取締役会の内乱が起きた。ロイターの記事をもとに構図を単純化すると、早いうちから一般に技術を解放してストレステストを行うべきだとするアルトマンCEOと功利的利他主義という考え方を持った取締役会の対立だった。

結果的に技術者とマイクロソフトを味方につけたアルトマン氏が勝利し功利的利他主義の取締役たちからなる役員会は刷新されることになる。理想主義の取締役会が現実主義の人たちに置き換わるということだ。Twitterの取締役会とイーロン・マスク氏の抗争の時にも浮き彫りになったように、アメリカの科学技術発展の背景には一種宗教的な文化闘争がある。

この辺りの機微をうまく理解しないことにはアメリカの成長の源泉を理解することはできないのだろう。

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「習近平は独裁者だ!」にブリンケン国務長官が頭を抱える

習近平国家主席とバイデン大統領の会談が終わった。表向きは関係修復のための会談だったが「目立った成果に乏しかった」と評価されている。そんななか、カメラに収められたブリンケン国務長官のある表情が注目を集めている。あからさまに嫌な顔をしているところを撮られてしまったのだ。おそらくドラマでもあんな表情は撮影できないだろうというような表情がニュース素材として出回っている。「どんなに努力してもボスは全く考えを変えてくれない」という宮仕え特有の絶望感が滲む。

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アメリカ合衆国下院で予算案が通過し連邦政府閉鎖は回避 利上げ観測も弱まり日本にも株価上昇の波及効果

アメリカ合衆国関連で2つのニュースがあった。

一つ目のニュースはCPIの伸びが収まりつつあるというものだ。これで利上げは終わりだろうという希望観測的な安堵感が広がり株価上昇・債権価格回復という流れになっている。当然日本とアメリカの利率の差も縮まるため発表直後はやや円高方向に触れた。また、アメリカCPIのニュースは日本でも好感され株価が大幅に値上がりした。ロイターは「日経平均は大幅に3日続伸、「逆CPIショック」で今年最大の上げ幅」とホクホク顔だが日経新聞は「少し浮かれすぎなのではないか」という論調のコラムを掲載している。円も結局は151円まで円安に戻している。非常に変化が多い荒っぽい値動きが続いていて経済指標に一喜一憂するのは危険だ。ただ一ヶ月ほど前に投資した米国株は軒並み上昇しているはずだ。

もう一つは連邦政府の閉鎖回避だ。ジョンソン議長が「二段階方式」を提案した。結局予算案は民主党からの賛同を得て下院を通過したようだ。重要法案(軍事建設・退役軍人対策・輸送・住宅・エネルギー省への資金提供)が1月19日までの予算となり残りの部分は2月2日までの延長となる。もともとに段階方式は共和党強硬派が推進していたが上院議員たちは懐疑的でありホワイトハウスも反対していた。しかし、ジョンソン議長が強硬派の主張する大幅な予算削減を盛り込まなかったことで民主党に妥協の余地が生まれた。非常に複雑な提案であり「間を取った妥協」になっているためなぜこのような内容になったのかはよくわからない。

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中国発の化学物質がアメリカ人を蝕む アメリカで社会問題化するFentanyl(フェンタニル)とは

アメリカのニュースを見ていると、最近Fentanylという言葉を聞くことが増えた。日本語ではフェンタニルと表記されるそうだがTBSは「アメリカでは年間11万人の死者が出ている」という。米中首脳会談でも議題になることが決まっている。

フェンタニル汚染はアメリカで社会問題になっている。主な密輸元はメキシコだが原材料の化学物質は中国から来ているという説があるそうだ。バイデン大統領は国内の麻薬問題を解決するために習近平国家主席の協力を求めており、従って米中首脳会談の主な議題になる。

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移民奔流 中南米からアメリカ合衆国への移民の流れが止まらない

ロイターがグアテマラからアメリカ合衆国に流れてゆく移民の問題について書いている。
土地を売ってブローカーにお金を払いアメリカ合衆国に渡る人についてのルポである。

成功すれば故郷に立派な家が建てられるが無事にアメリカに渡れる確証も仕事が得られる保証もない。それでも移民の流れが止まらない。

一方のアメリカ合衆国もこれ以上移民を受け入れられないという状況が生まれつつある。バイデン大統領に対する不支持の主な理由となっているが感情的にこじれにこじれており解決策は見いだせそうにない。

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ジョンソン下院議長のきわめて政治的なイスラエル支援提案とウクライナに広がる厭戦気分

ジョンソン下院議長が新しいイスラエル支援策をまとめた。上院で抵抗されることは間違いがない。だがこの動きは極めて政治的だ。上院を通らないことでジョンソン下院議長の政治的なメッセージを浸透させる効果がある。ウクライナの支援を含めて、外交問題は2024年の選挙を有利に運ぶための「ツール」になっている。

世界の関心がイスラエルに向かう中、ウクライナでも動きが出ている。ゼレンスキー大統領は徹底抗戦を主張しているが「政治的解決を求めるべきではないか」という声が出始めているそうだ。日本の報道はアメリカの報道の引用が多く「厭戦気分」がどの程度広がっているのかまでは見えてこない。

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戦後のガザ地区に多国籍軍管理構想 ホワイトハウスは否定

ガザ地区に対する攻撃が激化している。ラファからの外国人と傷病者の退避も始まったが、地区の内情はかなり混乱しているようだ。医療体制崩壊目前という報道も見られるようになった。イスラエルは停戦に応じるつもりはなく難民キャンプを空爆し戦争犯罪まっしぐらという状況である。そんな中、ブリンケン国務長官が議会で証言した。イスラエルはガザを統治するつもりがなく、実効的なパレスチナ人の政府も作られないのだから多国籍軍で管理しようという話が出ているようだ。だが、ホワイトハウスはこれを否定している。バイデン大統領とブリンケン国務長官の間に見解の相違があるようだ。バイデン政権は手薄になりがちなインド太平洋対策の一環として新しい国務副長官を任命した。今後上院で承認手続きが行われる。

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