外貨不足、インフレ、洪水、デフォルト危機、野党指導者逮捕による政情不安、そして広がる暴動 パキスタンは今どのような状態にあるのか?

スリランカが国家デフォルトを起こした時「悲惨なデフォルトはなんとしてでも避けるべきだ」と感じた人も多かったのではないか。だが、パキスタンは今「なかなかデフォルトしない」ことで危機に陥っている。これまでも外貨不足や洪水危機などさまざまな問題が発生していたのだが、前首相で現在の有力野党指導者であるカーン氏が何者かに逮捕されたことで大きな騒ぎが起きている。各地で暴動が起き1,000人を超える人が拘束されたとされている。

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インド東部で55人が死亡する民族対立が発生。インパールを中心に混乱が広がる。

インド東部のマニプル州で部族間対立が広がっている。マニプル州というと聞きなれないのだが「州都がインパールである」と言えばなじみを感じる人もいるかもしれない。きっかけはチベット・ビルマ系のメイテイ族の「指定部族入り」だが、歴史的な背景があり混乱が広がっている。

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鈴木財務大臣は、経済破綻したスリランカの面倒を押し付けられるのか

「日本が主導してスリランカの債務整理をする」という記事が日経に掲載されていた。日本が国家デフォルトしたスリランカの面倒を押し付けられるのかと思ったのだが結局枠組みの発表は行われていない。ロイターの記事によると情報発信源は鈴木財務大臣本人であり日本主導とも強調されていない。日経新聞と鈴木さんがタッグを組んだ日本のリーダーシップアピールの一環だったようだ。

ただ、欧米はインフレ対策と金融システムの維持で手一杯な状況にある。つまり日本だけが最後の防波堤であるという現実には変わりはない。

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ネパールで毛沢東主義の首相が誕生し親中国に傾斜

ネパールで毛沢東主義者の新しい首相が指名された。元ゲリラだが三度目の首相登板である。今回の総選挙は親中国と親インドの争いだったそうだが、結果的に親中国にシフトするのではないかと言われている。親インドと親中国の間を揺れ動くネパールの政界事情について調べてみることにした。

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ラジャパクサ前大統領がスリランカに帰還し37名の閣外大臣ポストが分配される

ラジャパクサ大統領がモルジブに逃げてからしばらくが経った。大統領権限がないと不逮捕特権がなくなってしまうため海外に出てから電子メールで辞任表明したことが話題になった。このため今は前大統領ということになっている。そのラジャパクサ前大統領がスリランカに帰国した。これだけでは大して大きなニュースとは言えないのだが、そのあとの展開は驚くべきものだった。37名の縁者たちに閣外大臣ポストがばらまかれたのである。

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なぜパキスタンの洪水は国の1/3という広範囲に及んだのか?

パキスタンで大規模な洪水が起きている。なぜこんなことになったのかを調べて見た。

何が起きたのかはビデオを見るのが手っ取り早いと考え、まずはYouTubeのビデオを集めた。ドローンで空撮している映像には迫力がある。

次に原因について調べるためいくつか記事を読んでみた。日本の洪水は数日程度で引いてしまうのだがパキスタンではこの状態が6月から続いており今も収まる気配がない。日本と違ってインダス川の入り口は一つしかなく水が引いて行かないのだ。ただ問題は地形と気候変動だけではない。貧弱な治水・灌漑設備に加え政治的無策の影響まで受けている。

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スリランカのウィクラマシンハ大統領代行はなぜ債務再編を日本に頼ろうとしているのか?

スリランカのウィクラマシンハ大統領代行が「日本が中心となって債務再編を助けてほしい」と依頼してきた。一部報道によると日本に来たいとも言っているそうだ。ではなぜ、ウィクラマシンハ大統領代行は日本に頼ろうとしているのか。

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