IPEF(インド太平洋経済枠組み)ですれ違うアメリカのねらいと日本の期待

バイデン大統領が来韓・来日する。目玉の一つがIPEF(インド太平洋経済枠組み」)である。どんな経済連携なのか調べてみた。日本側は中国を念頭にアメリカをこの地域に惹きつけておきたいと考えている。一方アメリカ側には別の狙いがあるようだ。この2つが微妙にすれ違いつつも一つの像を結んでいるというのがIPEFだ。インドの参加は見通せないことから実質的には「太平洋経済枠組み」とも言える。

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イギリスがEUとの協定を一部破棄へ – ハードブレグジット問題再燃の恐れ

イギリスがEUとの離脱協定の一部を破棄するための法案の審議に入った。つまり全部の破棄が確定したわけではなく「英領北アイルランドに関する特別通商ルールを大幅に変更する意向」を表明したというのが現段階の正確な表現になる。AFPは「貿易戦争に発展する恐れがある」と指摘している。

現在EUは対ロシアに向けて結束を図らなければならない難しい局面だが内外からの離反にさらされている。つまり難しい局面であることには変わりはない。またイギリスは国際的に約束したことを守らない国という批判にさらされることになる。

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アメリカ人の3人に1人が蝕ばまれる「リプレイスメント仮説」とは何か?

バファローの銃撃についてのニュースを流していると「リプレイスメントセオリー(仮説)」という言葉が盛んに繰り返されていた。アメリカ人の「多く」が信じている陰謀論である。かつてはネットの片隅の陰謀論だったが今ではメジャーな政治報道系番組でほのめかされることもあるそうだ。

今回はこのリプレイスメント・セオリー(正確にはthe great replacement theory)について調べ、その対策を考える。表現の自由が確保されるだけでは国民の知る権利は守られないということがわかる。つまり我が国の政治言論を考える上でも極めて貴重なサンプルと言える。

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ニューヨーク州バッファローで黒人を狙い撃ちにした銃撃事件が起こり10名が亡くなった

ニューヨーク州バッファローで黒人を狙い撃ちにした銃撃事件が起きた。犯人は18歳で白人至上主義を訴える「マニフェスト」が見つかっているという。これまで10名の死亡が確認された。

アメリカでは銃犯罪が急激に増えているが銃規制は進んでいない。おそらく狙い撃ちにされた黒人コミュニティの感情に配慮し当局は「ヘイトクライムであり当局がきちんと捜査している」と強調している。

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パレスチナで殺害されたアルジャジーラの記者は実はアメリカ系パレスチナ人だった

アルジャジーラの記者がパレスチナで殺害された。アルジャジーラ側はイスラエル兵が狙って撃ったと言っているのだがイスラエル側はパレスチナのテロリストに殺されたのだろうと弁明した。このニュースは西側から無視されるのだろうと思っていたのだがどうやらそれではすみそうにない。このアブ・アクレ記者はパレスチナ系アメリカ人だった。つまり、アメリカはイスラエルに自国人を殺されてしまったのである。

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EUにウクライナを加盟させるつもりのなかったマクロン大統領が「マイナーリーグ創設」を提案

マクロン大統領がショルツ首相と会談し「ウクライナは当分EUには参加できないだろう」との見通しを示した。数十年後といっていることから最初から入れるつもりはなかったのだろうということがわかる。代わりに提示したのが「別の枠組み」である。マイナーリーグを作って二軍をそこに入れようという発言に聞こえる。ウクライナにとってはあまり気分のいい話ではないだろうと感じた。早速リトアニアが反発している。

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フィリピンでマルコス大統領が誕生 – パッキャオ氏はノックアウトできず

フィリピンでマルコス大統領が誕生した。昭和世代には「マラカニアン宮殿を追い出された」ことで記憶されているあのマルコス大統領の子息である。強権的なドゥテルテ大統領の政策を引き継ぐと言われており人権派からの懸念もあるそうだ。フィリピンは人口が1億人を突破し経済も好調だ。このため現在の路線が国民から信頼されたと考えていいと思う。

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思ったよりもはるかに弱気だったプーチン大統領の5月9日演説

プーチン大統領の戦勝記念の勝利演説が終わった。当初の予想を覆し「勝利宣言」も「戦争宣言」も行われなかった。識者の中には「早口で弱気だった」と指摘する人がいた。特に気になった点は「様々な脅威」がまぜこぜに語られていたという点だった。また上空は晴れていたにも関わらず「天候の都合」で航空部隊の式典は中止されたそうだ。

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中間選挙後に取りざたされる「バイデン大統領の弾劾裁判」の可能性

Quoraでアメリカの新しい報道官について書いたところ「バイデン大統領の弾劾」というにわかには信じがたい話が書き込まれた。日本では全く報道されていないがアメリカ合衆国の一部のメディアでは盛り上がりを見せているそうだ。

選挙で共和党が勝てば「こんないいことがある」と言いたい共和党議員たちにとっては格好の「政治アジェンダ」になっている。つまり私たちに投票してくれればバイデン大統領を追い落せますよということである。

シナリオはいくつかに分かれている。政治ショーとして大統領・副大統領をつるし上げようとする提案もあれば、具体的な失職を狙ったものまで様々だ。

一方でバイデン政権側も選挙に負けた場合にどんな対策が打てるのかを検討し始めたという。つまり単なる与太話ではなく現実の可能性として対策が議論されている。

こうした話は日本のメディアにはあまり出てこない。安全保障の確固たる基盤としてアメリカの政治の安定に期待する人が多いからだろう。アメリカの民主主義が揺れているとなれば継続的な政策は立てにくくなるのだが、日本はそれでもなんとか対応してゆくしかない。

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オーストラリアの政権交代で「対中国政策」の揺り戻しは起こるのか?

オーストラリアで総選挙が行われる。「政権交代が起こると対中融和的になるだろう」という書き方をしているところもある。時事通信は「対中揺り戻し」という書き方をしている。

だが、海外のメディアの評価は違っている。最近の民主主義国家の選挙にはロシアや中国の影響を持ち出して内政から目をそらそうという動きがみられる。The Diplomatも「政争の一つとして対中関係が利用されている」というラインで記事をまとめている。

ただ何も変化がないというわけにはいかないかもしれない。例えば台湾有事の際の対応には温度差も見られるようだ。つまり、仮に政権交代が起きた後AUKUSやQUADのような枠組みの再構築や修正という動きは出てくるのかもしれない。

その意味では、5月下旬に行われる選挙の結果とその後の動向には注意をする必要がありそうだ。

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