イタリアで極右政党が躍進、初の女性首相誕生へ

イタリアで極右政党イタリアの同胞(FDI)が躍進した。メローニ氏が新しい首相に任命されることになりそうだ。今回は既にさまざまな分析が出ているがこの記事で強調したい点は2つある。

  • イタリア国民の国政への関心は薄れている
  • 今回は左派が選挙対策に失敗した側面があり必ずしも右派が勝利したとは言えない

つまり、FDIの台頭の結果、国民全体の支持がない中道右派政権が誕生する可能性が高い。だがいずれにせよイタリアの政治状況はヨーロッパの足並みを乱すのみならず対ロシア政策を通じて西側諸国の結束に大きなダメージを与える可能性が出てきた。さらに「お騒がせ発言」で知られるベルルスコーニ氏が政界の中枢に戻ってくる。

“イタリアで極右政党が躍進、初の女性首相誕生へ” の続きを読む

アメリカで広がる静かな退職(Quiet Quitting)と静かな雇い止め(Quiet Layoff)の微妙な関係

アメリカを中心に新型コロナの流行をきっかけにワークライフバランスを見直す動きが出ている。これまで生活を支えるためにより良い生活を目指すために働いてきたアメリカ人たちが「もうこれ以上頑張らなくてもいいのではないか」と思い始めているようだ。

職場環境が急激に変化したことで「企業の無制限の貢献をしよう」と考える人が減っており企業も対応を迫られているとビジネスインサイダーは説く。これを静かな退職(Quiet Quitting)と読んでいる。オーストラリアのElleは若者向けに静かな退職が新しい生き方なのだと説明する。

一方でトップ企業は優秀な従業員だけを選別するために静かな雇い止め(Quiet Layoff)という手法を編み出したと指摘する人たちもいる。「イタチごっこ」のような状態になっていることがわかる。

確かにQuiet Quitting、Quiet Layoffという言葉は単なる「バズワード」でもあるがアメリカの空気をよく表している。背景にあるのはやはりコロナ禍による環境の変化のようだ。

“アメリカで広がる静かな退職(Quiet Quitting)と静かな雇い止め(Quiet Layoff)の微妙な関係” の続きを読む

今度は「トラス・ショック」でイギリスポンド安

今週は投資家にとって忙しい一週間だった。まずFOMCで利上げが発表された。直後は株価も円相場も動かなかった。次に日本国債の取引が成立しなくなり、さらに日銀が金融政策を据え置いたことで円安傾向が出た。これを防衛するため財務省が24年ぶりの為替介入を行った。実弾は限られている上アメリカの支援は得られないことから「いつまで戦線が持つのか」という状態になっている。またFOMCの結果が投資家に伝わるにつれてニューヨークの株価も落ちている。

ただ連休に入ったため「もうこれで今週はひと段落だろう」と思った。Twitterでは「イギリスが怪しい」という声が出始めていたが「それはまた来週まとめて研究しよう」と思ったのだが、ポンドが下落したそうだ。日経新聞も「下落」を伝えている。

“今度は「トラス・ショック」でイギリスポンド安” の続きを読む

尹錫悦大統領のバイデン大統領に対する暴言は厳密には何だったのか?

尹錫悦大統領が「この野郎ども」と発言したというニュースがあった。背景がよくわからないが興味深かったので調べてみた。調べてみるとTBSの翻訳は割と優秀だがAFPは少し外れた翻訳をしていることがわかる。

  • TBS:あいつらがバイデン大統領の提案を通さなければどうなるんだ?
  • AFP:こいつらが議会で可決しなかったら、バイデンのクソメンツは丸つぶれだな

また暴言の背後には韓国のアメリカに対する過度な期待とバイデン大統領の外交下手という問題も含まれている。岸田総理大臣は長く外務大臣をやっていたためアメリカの雑さをうまく織り込んで処理したようだが、外交デビューの尹錫悦大統領にはそれができなかった。

いずれににせよ「単なる暴言」として嗤うにはもったいない素材だ。

“尹錫悦大統領のバイデン大統領に対する暴言は厳密には何だったのか?” の続きを読む

「戦争に行きたくない人はドイツにいらっしゃい」とドイツ政府がロシア人に呼びかけ

ロシアを脱出する航空チケットの値段が高騰しているそうだ。そんな中、ドイツがロシアからの脱走者を受け入れると表明した。正確にはプーチン政権下のロシアからの脱出者を受け入れるという。AFPが「ドイツ、ロシア脱出者の受け入れ表明」と伝えている。いきなりこんな出だしで書くと混乱する人がいそうだ。「既にだいたいのことは知っているよ」という人もいるかもしれないのだが、これまでの流れを簡単におさらいしておこう。

“「戦争に行きたくない人はドイツにいらっしゃい」とドイツ政府がロシア人に呼びかけ” の続きを読む

グテーレス事務総長の思い切った「化石燃料棚ぼた課税」提案は分断の雰囲気の中でかき消された

グテーレス事務総長が「国際社会の分断を訴えた」というニュースをNHKが出している。確かに国際社会は分断されていて国連は機能不全に陥っているなあとは思うのだが記事はそこで終わっている。NHKはこの後の首脳演説のまとめでも安全保障上の分断を強調した記事を出した。この裏でグテーレス事務局長が思い切った提案をいくつかしているのだが、それらはすっかり忘れ去られてしまった格好になっている。

“グテーレス事務総長の思い切った「化石燃料棚ぼた課税」提案は分断の雰囲気の中でかき消された” の続きを読む

ついにイランで政府抗議運動が始まる。きっかけは女性たちの怒り。

イランで政府に対する抗議運動が始まったというニュースが伝わっている。きっかけは「スカーフの被り方を咎められた女性が警察で亡くなった」という問題だが、背景には長年溜まってきた政府に対する不満があるようだ。いずれにせよ、ようやく抗議の声を上げたのはヒジャブで顔を隠すことを強要されてきた女性たちだった。

“ついにイランで政府抗議運動が始まる。きっかけは女性たちの怒り。” の続きを読む

いわゆる「特別軍事作戦」の長期化の予想でロシアの株価が大きく下がる

23日から27日に東部・南部でロシアの編入を問う住民投票が行われる。主権国家に対する侵略行為で認められるものではないが東部ハルキウ州を奪還されたロシアとしては現状を固定したいという狙いがあるのだろう。だが一度コミットメントを強めればロシアはその後も大規模な「軍事作戦」を固定化する必要が出てくる。いずれにせよロシア側の焦りがよくわかる動きだ。

ただこの動きの裏でロシアの株価がかなり下げたようだ。ロイターが「ロシア株価急落、戒厳令発令を懸念 ルーブル相場は安定」という記事を書いている。メディアからは伝わってこないもののロシア国内の厭戦気分が透けて見える。

“いわゆる「特別軍事作戦」の長期化の予想でロシアの株価が大きく下がる” の続きを読む

財政破綻から回復途上のプエルトリコがハリケーン被害に会い全島が停電に

プエルトリコは320万人弱の人が暮らす面積9104平方キロメートル程度の島国である。西隣には海を挟んでハイチとドミニカ共和国がありその向こうにはキューバがあるという並びだ。島の大きさは鹿児島県とほぼ同じ程度だという。島国といっても独立はしておらずアメリカ合衆国の自治領という扱いになっている。住民はアメリカ国籍を持っているが連邦に対する納税義務がなく従って大統領選挙の投票権がない。また連邦下院に議会を送ることはできるが議決には加わらない。そんなプエルトリコをハリケーン・フィオナが襲った。壊滅的な洪水が発生し全島が停電し150万戸が影響を受けているという。

“財政破綻から回復途上のプエルトリコがハリケーン被害に会い全島が停電に” の続きを読む

バイデン大統領がCBSの番組で再び台湾防衛への力強いコミットメントを表明する

バイデン大統領が台湾有事への力強いコミットメントを表明した。各紙が伝えている。一方で表明しなかったこともある。次期大統領選挙に出るかどうかをいまだに明確にしていないのだ。台湾有事についてのコミットメントについては多くの媒体が取り上げているが、大統領選挙に出ないかもしれないという点について伝えている媒体はそれほど多くなかった。

“バイデン大統領がCBSの番組で再び台湾防衛への力強いコミットメントを表明する” の続きを読む