イギリスで富士通のITシステムに高まる批判 きっかけはテレビドラマ

今、イギリスで富士通のシステムに対する批判が高まっている。原因は1999年から2015年まで行われた裁判だ。富士通が作った「ホライズン」と呼ばれるITシステムによって冤罪が作り出された。

郵便局の副局長が700名以上も横領容疑で郵便局から訴えられた。最終的には900名以上が裁判にかけられたという。だが後の調査でこれがシステムのバグによる冤罪だったことがわかっている。素直にバグを認めて修正していれば良かったのだがその後も隠蔽がおこなわれたことで被害が拡大している。

このニュースには日本と共通するある特徴がある。日本の場合は文春砲をきっかけに大騒ぎが起きるが、この件はテレビドラマがきっかけになっている。昔の問題が今になって掘り起こされているのだ。

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全銀ネットの障害に総括「障害が起きないという潜在意識」によって引き起こされた

全銀ネットが2日にわたって停止し他行への振り込みができなくなったのは10月だった。あれから2ヶ月が経ち世間の関心は次第に薄まってきている。全銀協とNTTデータが会見を行い総括している。

当初「メモリ不足」と言われ一時否定されていた結局はメモリ不足だというところに戻ってきた。設計チームはメモリ領域を展開するように求めていたがプログラミングサイドがその指摘を見落とした結果事故が起きたのだそうだ。全銀ネット側は「事故が起きないという潜在意識があり油断があった」としている。

OSに不慣れだったのではないか、AI生成のせいではないかなど様々な説があったが、最終的には「誰かがなんとかしてくれるだろう」という請負ピラミッドではよく見られる典型的な事例だったと言える。

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ChatGPTのOpenAI社で「意識高い系」の取締役会が敗北 アルトマン氏がCEOに復帰へ

OpenAIでアルトマンCEOと取締役会の内乱が起きた。ロイターの記事をもとに構図を単純化すると、早いうちから一般に技術を解放してストレステストを行うべきだとするアルトマンCEOと功利的利他主義という考え方を持った取締役会の対立だった。

結果的に技術者とマイクロソフトを味方につけたアルトマン氏が勝利し功利的利他主義の取締役たちからなる役員会は刷新されることになる。理想主義の取締役会が現実主義の人たちに置き換わるということだ。Twitterの取締役会とイーロン・マスク氏の抗争の時にも浮き彫りになったように、アメリカの科学技術発展の背景には一種宗教的な文化闘争がある。

この辺りの機微をうまく理解しないことにはアメリカの成長の源泉を理解することはできないのだろう。

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全銀ネット障害の原因はAIによる自動化推進だった可能性 生成プログラムの不具合をNTTデータが謝罪

10月の連休明けに障害を起こし2日間銀行間振替が止まった問題に進展があった。NTTデータが謝罪会見を開き「生成プログラムに異常があったようだ」と謝罪した。記事の中には詳しい記述はないがプログラマー不足の解消と省力化を目指したAI化を推進していた中で起きた不具合だった可能性がある。しかし、仮に今回の障害が自動化の弊害であったとしてもそれについてはあまり語られることはないだろう。実際にこれで不安の種が取り除かれたかどうかはわからないが「原因が特定されたことで次の更改は無事に進むだろう」と希望的観測を書くにとどめたい。

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日本の銀行間振込を2日間混乱させたのは誰か 待たれるNTTデータの釈明と情報公開

全銀ネットが会見を行った。今回は報道ではなく記者会見の様子を見た。2時間50分近くの会見だったがTBSなどいくつかの媒体が配信しYouTubeに記録が残っている。このエントリーでは前回、前々回の記録について情報をアップデートした上で、最後にNTTデータの責任問題について考えたい。

記者たちはあえて「疑惑の追及」のようなことはやっていなかったが、どうもNTTデータが情報開示に後ろ向きのようである。全銀協も独立した第三者委員会の設置は考えていないようなので、本来ならば国がきちんと入って介入する必要がありそうだ。今後「中央銀行の発行するデジタル通貨」などFintechの重要性は増してゆくのだから問題があるならばこの時点で清算しておくべきだ。

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