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国から丸投げされる現金給付のコストは10億円 高島福岡市長が訴え


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石破総理は減税に比べて現金給付のほうが迅速に救済ができると主張している。ところがこれには隠れたコストがある。高島福岡市長が会見を開き福岡市のコストを試算すると10億円になると主張した。お金が絡む問題だけに神経質になった市民の問い合わせが増えるそうである。事実上の国民買収策だと個人的には思うのだが地方自治体の涙の犠牲によって成り立っているのだと改めて感じた。

高島福岡市長は現金給付のためにかかる準備について淡々と語っている。公金受取口座を利用して国が事業を行うべきとしたうえで、福岡市が負担するコストは10億になる可能性があるとしている。

石破総理は消費税減税には1年近くのシステム改修期間が必要であるとしたうえで民間への負担が大きいと抵抗を示している。一方で現金給付なら素早く行うことができるという。

ところが石破総理は地方自治体への打診はしておらず「国が命じれば地方自治体は黙って労働力を差し出すのだ」という前提をおいている。

維新が支配する大阪のような例外を除くと、地方自治体は自民党も立憲民主党も一緒になって首長を支えるのが一般的。このため高島市長としても選挙期間中に石破総理に反抗するようなことは言いにくかったはずだ。

それでもあえて発言したのは何も言わなければ「市役所職員の犠牲もなかったことにされる」からだろう。お金が絡むことで市民も神経質になり問い合わせが殺到するそうだ。

高島市長は「逮捕者も出ている」としているが地元テレビ局も含めてどんな事件だったのかを書いているところはなく、市長の主張をノーカットで流しているだけだった。

この問題で「自分のお金だったら、自分が配る立場だったら、真剣に考えるのでは」と主張する首長もいる。熊谷県知事はもともと民主党の千葉市議会議員を経て市長から県知事になっているが、共産党を除く「オール与党体制」を作り自民党との関係も良好だ。「所詮他人のカネなんですよね」という知事の指摘はおそらく当たっているのではないか。

福岡市の人口は160万人を超えており予算規模も1兆円を超えている。この中の「たかだか10億円」という気もするが、それでも10億円あればいろいろな事業が展開できるだろうという気がする。

政権が転落危機にあるうえに経済政策や外交政策で行き詰まっており、既得権になっている消費税などの財源を抱えたまま、選挙の前に有権者の機嫌を取るためにお金を配りたいと言う気持ちはわからなくもない。個人的には「合法的選挙買収」だとは思うがこのあたりは主観的な問題であり人によって意見は分かれるかもしれない。

しかしながら細かな予算策定過程を見ると、そもそも執行しなかった予算が何兆円も余り、また一度取った税金を多額の支出をかけて配り戻すようなことが行われている。所詮は他人のカネという熊谷県知事の指摘の重みが増して聞こえる。

参議院選挙ではこのあたりのことも考慮に入れて投票先を選ぶべきなのかもしれない。