最近「すわトラスショックの再来か」という話をよく聞くようになった。原因は議場で財務大臣が泣き出したから。一体何があったのか。
ブレグジットに失敗し経済が低迷するイギリス。スターマー首相は福祉の持続性を維持するために大胆な福祉予算削減を計画する。しかしこの計画は労働党の反発を招いた。
いくつかの妥協の末に49人の造反者を出して法案は可決されるのだが、今後は財務大臣の仕事(財政健全化)が難しくなるのではと囁かれ始めた。
スターマー首相は「リーブス財務大臣を支持するのか」と聞かれたが支持を表明しなかった。このためスターマー首相とリーブス財務大臣が不仲なのではないかと憶測されるようになった。報道を見る限りリーブス財務大臣が何故泣いたのかはよくわかっていない。泣き出す前に議長とひと悶着あったのではないかと言われている。
ところがここでリーブス財務大臣が議場で泣き出してしまい「いよいよまずい状態に陥っているのではないか」と市場が動揺した。ポンドはドルに対して値を下げ、イギリスから資産を逃避させる動きも起きたそうだ。
スターマー首相はあらためてリーブス財務大臣の続投を確約し、市場の動揺はやや収まったとのことである。